日本の子にも、 Reading

アメリカでは2008年以来、毎年1月にNational Ambassador for Young People’s Literatureが選出される。
スポンサーは、the Center for the Book in the Library of Congress, the Children’s Book Councilとその母体であるEvery Child a Reader.

今年の大使は、YA作家のWalter Dean Myersだ。
彼はこれまでliteracy とreadingにずっと興味を注いできた人だ。

音節文字のひらがな、カタカナがある日本語を使うわたしたちには想像しにくいが、音素文字である英語はそれが母語の子どもたちにも、「訓練」なしで読むのが難しい。
「ねこ」とあれば、ne-ko と読めるが、英語でcatはアルファベットの「c」「a」「t」を知っていても音素でしかないので、初見では「キャット」と読めない。
全英語の単語の5,60%は、フォニックスという法則に則った読み方をするが、半分近くは、法則外。
個別に「訓練」(読んで覚える)して、読めるようになる。

そこで、8歳ぐらいまでの子どもを持つ親には、子どもがreading できるようになること(まずは、読み下せること)が、大きな教育の目標になる。

W.D.Myerは、自分の親族を始め周囲にreading できない人々とその厳しい生活を見て育った。
「readingは、人生、生活に不可欠」と身にしみて分かっている人だ。
readingを子に教えよう、その大切さを大人に教えようという熱意を感じるインタビューを読んで考えた。

第2言語として英語を学ぶ日本人には、母語があるので、英語のreadingがそこまで必要ではないのは確かだ。
だが、一歩日本の外へ出たら?
これからを生きていく子どもたちが一歩外へ出る機会は、少なくないだろう。
また、「外にも出られる」と考えると、世界が広がり可能性も大きくなる。
そこで、やっぱり日本の子にも、readingである。

英語を母語としない子への英語教育に、どんな方法があるだろう。
1. なるべく英語母語者の子ほど英語を聞かせ、言わせる
「子ども英会話」とか、英語で教える幼稚園などは、この方針。
2. 英語の本を教える
リードアラウドは、この方針。

「1」の「なるべく母語者の子ほど」の英語環境は、日本に住み英語が母語でない親の元にいると、実現が難しい。
毎日24時間英語漬けのネイティブと、よくて毎日数時間の日本人と、条件の差は大きい。

だが、「2」。
ネイティブたちも、苦戦中なのだ。
チャンス!
英語力獲得の戦略的に考えると、readingなら勝ち目がある。
英語の本をreading するといっても、たとえばリードアラウドなら、reading aloudするから、頭に知識が蓄積されるだけでなく、耳も口も使う。

ネイティブたち、それも教育の専門家たちが
「週に3度くらいは、親が子に読んであげようよ」とか、
「親は上手でなくても効果は同じ。一緒に読むことが子のreading力を伸ばす」
とか言ったり、書いたりしている。
これなら、わたしたちにも出来る!

どんな本をどのくらい読んだらいいかなどは、リードアラウド指導者や英語の本に造詣の深い先生の指導を直接に仰ぐか、それが難しくとも、例えば(手前みそだが)選書を予めしてあるわがブッククラブや、ガイドブックなどを参考にDIY的にも出来る。

絵本のリードアラウドで英語を教えてきたスクール生のreading力の伸びを、最近のassessmentの結果で見ながら、「やっぱり、readingを!」と今日も思う。

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