初級英語絵本朗読クラス:Before & After

英語絵本の朗読初級クラスを月に2回位開いている。

そこで起こる嬉しいことのひとつは、その日の課題絵本を黙読後、受講者がまっさら状態で朗読した朗読と、その後、たった90分だが私のクラスを受けた後の朗読で、大きな進歩が見られたとき。
Before and Afterの差が、くっきり見えたときだ。

その差が、指導しているわたしも驚くほどのとき、
それは、受講者の感受性が指導法と、ぴったり合った幸せな機会だったのだろう。

先日はそんな嬉しい日だった。
The Carrot Seed が課題書、1945年初版のロングセラーで名作、そしてリードアラウド(RA)の定番だ。

いつも感心するのは、この「初級」をうたっている講座の門を叩く受講者が、「英語の先生」と言っても信じられるくらい英語が上手だということ。
しかし絵本朗読に関しては、自己申告どおり「初級」なのには間違いない。
ただスラスラ間違えなく読めるのと、朗読はまったく違うのだ。
それを自覚しているところが、もう既に上達への道に足を踏み入れている。

さて、先日のThe Carrot Seedの朗読の場合。
本来はナレーター、母、父、兄の4種の「声」で読みたい。
ところが初級者は、ひとつの声で読む、またはひとつの声に聞こえるのが典型だ。
よって、「読み聞かせ」される英語を母語としない子たちには、まあ例えれば「お経」のように聞こえる。
何も伝わってこない。

ただの「スラスラ」読みと、リードアラウドというか、英語を母語としない人にもイメージが湧く朗読は違うということをまず指摘し、指導開始だ。

本の解釈をしながら、登場人物の声を考えてもらう。
主人公の家庭はどんな家庭か。
年齢、職業、住んでいるところ、家族関係など。
また解釈では、物語の構成を「序、破、急」で考えてもらうことが多い。

ほんの90分弱でも「After」は……
先日は、見違えるほどに!

素晴らしかった。
声や口調の分離は、2/3ほど出来た感じ。
the carrot seedから芽が出てニンジンになったという、少年の喜びという物語は、聞いていて見えて来た。
ナレーションから、読む人の温かさ、体温が伝わるようになった。
構成が頭に入ったので、自然な間合いがとれるようになった。
などなど。

1回で上手くなる限界はあるが、本、受講者、指導法が相性に合った場合に、こんなにBefore とAfterが変わることがたびたび起こる。

いいスタートを経験したら、上手くなるチャンス。
精進を!

コメントを残す

CAPTCHA