いま、わたしが子どもだったら受けたいと思うような英語レッスン

「リードアラウド」と名づけて進めている英語指導法では、「いま、わたしが子どもだったら受けたいと思うような英語レッスン」を目指している。

小学生のころ、「早く学校で英語を教えてくれないかな」とあせり気味に思っていた。
家の近所に「ハウス」と呼ばれる謎の白い家があり、そこに住んでいる「ヘレンちゃん」や「ジョージ君」と友だちになりたかった。
アメリカの叔母から英語のカードが届くたび、祖母に「おまえ、読めないのかい」とため息をつかれた。
テキサスの「ワラジのように大きなステーキ」や、水のことを「ワラ」と呼ぶという父の親友の話がおもしろかった。
中世のイメージが怖くてイギリスには行きたくなかったけれど、アメリカのスカーンとした大きなところに惹かれていた。
そして何よりも、知りたい情報が英語で書いてあるため分からないのがもどかしかった。

当時、アメリカンスクールのバスが、ヘレンちゃんの送迎のため近所に来ていた。
親に「同じ学校に入りたい」と頼んでみたが、「行儀が悪くなる」「まずは、まともな日本人になりなさい」と一蹴された。

小学生のわたしが、いまのわたしに会っていたらなあ……。

英会話塾もいいが、パターン化された会話本を使うだけの先生では、「浅いなあ」と感じる子どももいる。
Englishの「E」の字も知らないくせに、「話したいこと、聞きたいことが学べない」と思う小学生もいるのだ。
ませていて、知に飢えていた過去のわたしを思い出す。
これまでたくさん小学生を教えてきて、こういう小学生が過去のわたしだけでないことを知った。

そんな子どもにread aloud。
質の高い英語絵本を、リードアラウドのプロの指導者と一緒にreading aloudする。
絵本で異文化を学ぶ。
次第に聞く力、表現力、reading力がついてくる。
こんな風に教えてくれるところがあれば、英語の勉強への興味も続くのに。
そして、そんなところが増えれば、もっと小学生が英語に興味を持つようになると思う。

先生も、せっせと英語絵本を読んで、もっと深くならなきゃ。
今年も、Summer reading!

ワークショップ2012

Access to Books Is Key to Reading Skills:英語と本

南カルフォルニア大学のMaster of Arts in Teaching Delivered Onlineで見つけた情報。

Access to Books Is Key to Reading Skillsを裏付ける、驚愕の調査結果だ。
たとえば、

・家にある本の数から、reading の進歩が直接予想できる
middle incomeの地域では、子どもひとりあたり13冊。
lower-incomeの地域では、300人に1冊。

・リテラシーレベルの低い子で、4年生大学の過程を終了するのは2%

・保護者がreadingに関与しないと、reading テストの平均点を最大74%下げる

以前、本ブログには書いたが、その言語的特徴から、英語を母語とする子どもにとってreadingのハードルは、日本人が考えるよりもずっと高い。
(簡単にたとえれば、九九。九九が出来ないと、ずっと算数、数学が出来ない。九九は意識して学ばないと学べない)

そのreading、家族の関与の他に、本が手を伸ばせばすぐにあることが重要。
英語を学ぶ日本の子にも、同じことが言えそうだ。

家に、子ども向けの英語の本が何冊あるだろう。

日本の子にも、 Reading

アメリカでは2008年以来、毎年1月にNational Ambassador for Young People’s Literatureが選出される。
スポンサーは、the Center for the Book in the Library of Congress, the Children’s Book Councilとその母体であるEvery Child a Reader.

今年の大使は、YA作家のWalter Dean Myersだ。
彼はこれまでliteracy とreadingにずっと興味を注いできた人だ。

音節文字のひらがな、カタカナがある日本語を使うわたしたちには想像しにくいが、音素文字である英語はそれが母語の子どもたちにも、「訓練」なしで読むのが難しい。
「ねこ」とあれば、ne-ko と読めるが、英語でcatはアルファベットの「c」「a」「t」を知っていても音素でしかないので、初見では「キャット」と読めない。
全英語の単語の5,60%は、フォニックスという法則に則った読み方をするが、半分近くは、法則外。
個別に「訓練」(読んで覚える)して、読めるようになる。

そこで、8歳ぐらいまでの子どもを持つ親には、子どもがreading できるようになること(まずは、読み下せること)が、大きな教育の目標になる。

W.D.Myerは、自分の親族を始め周囲にreading できない人々とその厳しい生活を見て育った。
「readingは、人生、生活に不可欠」と身にしみて分かっている人だ。
readingを子に教えよう、その大切さを大人に教えようという熱意を感じるインタビューを読んで考えた。

第2言語として英語を学ぶ日本人には、母語があるので、英語のreadingがそこまで必要ではないのは確かだ。
だが、一歩日本の外へ出たら?
これからを生きていく子どもたちが一歩外へ出る機会は、少なくないだろう。
また、「外にも出られる」と考えると、世界が広がり可能性も大きくなる。
そこで、やっぱり日本の子にも、readingである。

英語を母語としない子への英語教育に、どんな方法があるだろう。
1. なるべく英語母語者の子ほど英語を聞かせ、言わせる
「子ども英会話」とか、英語で教える幼稚園などは、この方針。
2. 英語の本を教える
リードアラウドは、この方針。

「1」の「なるべく母語者の子ほど」の英語環境は、日本に住み英語が母語でない親の元にいると、実現が難しい。
毎日24時間英語漬けのネイティブと、よくて毎日数時間の日本人と、条件の差は大きい。

だが、「2」。
ネイティブたちも、苦戦中なのだ。
チャンス!
英語力獲得の戦略的に考えると、readingなら勝ち目がある。
英語の本をreading するといっても、たとえばリードアラウドなら、reading aloudするから、頭に知識が蓄積されるだけでなく、耳も口も使う。

ネイティブたち、それも教育の専門家たちが
「週に3度くらいは、親が子に読んであげようよ」とか、
「親は上手でなくても効果は同じ。一緒に読むことが子のreading力を伸ばす」
とか言ったり、書いたりしている。
これなら、わたしたちにも出来る!

どんな本をどのくらい読んだらいいかなどは、リードアラウド指導者や英語の本に造詣の深い先生の指導を直接に仰ぐか、それが難しくとも、例えば(手前みそだが)選書を予めしてあるわがブッククラブや、ガイドブックなどを参考にDIY的にも出来る。

絵本のリードアラウドで英語を教えてきたスクール生のreading力の伸びを、最近のassessmentの結果で見ながら、「やっぱり、readingを!」と今日も思う。

漫談家とリードアラウド指導者

漫談家の綾小路きみまろさんのインタビューを読んだ。

子どもに英語を楽しく教えるリードアラウド指導者に通じるものを感じた。
いわく
「ネタをいろいろ練り上げて工夫しています。お客さんの心をとらえる努力をしない限り、お客さんはついてこないのです。」
ー生徒は「お客さん」です。

「漫談は上げたり下げたりのバランスが難しい。『あなた、その顔で』と言ってお客さんを落としながら、自分のことも『道にまよったタヌキみたいな顔』『田んぼのオケラ』と言って安心させます。」
ー先生然としていたら、子どもには「お勉強」になってしまう。エンターテイナーだと自覚したい。

「年をとると滑舌が悪くなる。でも、声が出るうちは勝負します。」
ーさあ、きょうも声を出すぞー!

Dog & Bear第3作@8月ワークショップ

Dog & Bearのシリーズ第3弾、Three to Get Ready これが、8月のワークショップの課題だ。

このDogとBearが初めての人は、まず次のことが宿題。
○それぞれの性格を書き出す
○年齢、バックグラウドは?
○ふたりの関係:歴史、どんなか
○以上のデータで、それぞれの声(高低など)、口調(遅い、速いなど)を決める

Dog とBearの性格や関係などもう把握している、本シリーズの他の本を既習した人の宿題
○ふたりの性格などの再確認、声、口調の調整

そしてWS参加予定者、全員の宿題
○3話のうち1話で、授業計画を作り、自分なりの「リードアラウド指導」をシュミレーションする
○ひとり二役で、声がはっきり分離するよう台詞を練習する

とりあえず、以上!
新入の参加者には優しく、古参には厳しく……のつもり。