飽きさせない授業のために

「落語は、作品も語りも磨かれた凄いものだとわかるが、オチまでの時間に忍耐が必要だ。ぼくら今の世代に広くウケるには、テンポなど変えなければならないと思う」
と、20代前半の青年から、最近聞いた。

リードアラウドをやっていて思うのは、概して子どもは飽きっぽいということ。
子どもはいつもそうだったのか、または今の子どもがそうなのかどうか分からない。
しかし、子どもの飽きたかどうかの察知は重要で、その「飽き」は頻繁にやってくる。

先日、ハーバード大学の有名教授、サンデル博士の「白熱教室」に参加したとき、気付いた事のひとつが、聴衆(参加者)の飽きに対する博士の配慮だった。
博士は、どのくらいで人は飽きるかを熟知していて、飽きそうなころに、絶妙な工夫をしている。

双方的コミュニケーション、これである。
そして、それを明確に宣言する。
「これから、皆さんの考えを尋ねます」や、
「これから挙げる3つのうち、どれだと思うか、手をあげてもらいます」
など、まずは明言する。
聴衆は、こちらに振られたのが分かり、はっと眠気も飛ぶというもの。
こんな場面が、たびたびあり、飽きないばかりか、参加している実感も、何を討論したかの印象もはっきりしてくる。

こんな丁々発止のやりとりが、授業には必要なのだ。
今はやりの「英語活動」のように、決まったパターンの英語の自動的使用をするのは、本当のコミュニケーションではないだろう。
自分たちの頭で考えさせる。
それでこそ、中身のあるやりとりである。

絵本という芸術的にも文学的にも優れたものを、教材にしているおかげで、そういうやりとりが、リードアラウドでは可能だ。
子ども側から考えると、こういうのを、本当の「知育」やら「英才教育」って言うのじゃないだろうか。

また、今時の子どもたちの堪え性に合わせて、このやりとりを、こまめにすることが、リードアラウド指導者には求められているだろう。