「かいじゅうたちのいるところまで、いくらですか?」

Maurice Sendak が亡くなった。
NYタイムズに詳しい追悼記事が載っている。
お勧め記事は、おそらくSendakの伝記を書くと思われる人による
この記事

センダク……、なんと言っても最も知られた絵本は、Where the Wild Things Areだ。
これは、それまで児童書が扱ってこなかった、「子どもの教育上よくない」「子どもの本で扱うべきではない」とされるもの:
親や大人への悪口、口答え、反抗的行動、そして親などによるおしおき、「子どもを食べる」など怖い行為
などを扱った。
出版当初は賛否両論あったようだが、結果的に絵本の最高名誉コルデコット大賞受賞し、大いに売れ続けている。
結果的に、本書が受け入れられたおかげで、その後の絵本界からタブーが減った。
一種の、革命だったのかもしれない。

わたしのスクールでも、2年目の小学生が発表会で読む本だったので、何度も練習に付き合った。
読んでも読んでも発見があって、あきない。
子どもの発想として自然な流れで、おとなからの決めつけのようなイヤな視線を感じない。
主人公の気持ちが、子どもにはすごくよくわかる。

あんまり「カワイイ」とはいえない登場キャラクターたちのモデルは、ユダヤ系であるセンダクの親類のおばさんたちだという。
確かに、子どもが描く辛辣な似顔絵やマンガのようにも見える。
共感を覚える子どもが多いのも、頷ける。

作家は子ども読者から、沢山の手紙を受け取るが、最近の傑作としてセンダクが挙げたのは、こんな手紙。
「かいじゅうたちのいるところまで、いくらかかりますか。お金が足りるようだったら、ぼくは妹と行ってみたいと思います」

ああ、わたしも行ってみたい。
作家は、今、肉体をこの世に残し、自由な魂になって、先に逝った同性のパートナーと堂々と合流し、絵本の中のような時間も距離も関係ない世界で遊んでいるのかも知れない。