神保町に響くリードアラウド

先日はブックハウス神保町で、リードアラウドの会があった。
読んだのはLaura V. Seegerの、First the Egg だ。

ここブックハウスでは、会場がとてもいい配置になっていて、子どもとわたしの距離が物理的にも近く、お互いを身近かに感じられる。
目が届いて、刺激を各自に与えられるせいか、3歳くらいの幼い子でも60分しっかり参加できるのが素晴らしい。(もしかしたら、素晴らしい幼い子が参加しているのか???)

そんな幼い子もさらに参加しやすいように本年度から、つまり今回から偶数月開催のRAでは、わたしのカテゴリーでいう「入門」〜「初級」レベルの本を使うことにした。

その初回が本書。
会場に行って小学生中学年くらいの子たちの姿を、ちらほら見かけたときは、彼らがこの本を「幼稚」と思わないか、少々不安がよぎった。

……だが、終わってみて、それが杞憂だったことがわかった。

理由。
本が素晴らしいから。

ダイカットという、簡単なしかけ本だが、いわゆる「子どもだまし」の感じがまったくない。
絵、活字、レイアウトなどアートとして優れているので、もう幼児ではない読者、そして大人にも魅力的なのだ。

それに、年齢の高い子にも考えさせる「内容」がある。
「ニワトリが先か、卵が先か」、長くディスカッションすることも出来る。
また、昆虫や、は虫類の「変態」という自然界の事実に関する考察もできる。
そして、学習要素も。
ここでは、first, then というsequenceという学習要素があるのだ。
語彙も、文字で書かれているものだけでなく、絵で描かれているものを含めると、かなり数もレベルも上がる。
よく練られていると、大人はうなるだろう。

もう10年も前になるが『キッズ(だけにじゃもったいない)ブックス』、そして続編『英語ペラペラキッズ(だけにじゃもったいない)ブックス』を出した。
この英語児童書ブックガイドで言いたかったのは、「英語圏の絵本・児童書にはあまりにも素晴らしいものがあり、子どもにだけ見せておくのはもったいない!」ということ。
大人の「おめがね」にも叶う、実力のある本だらけなのに、日本の読者にあまり知られていないのが現状だ。
そんな本をより多くに楽しんでもらいたい、いわば、おせっかい心がガイド本の出版、そしてもう一歩踏み込んだリードアラウドの「母」だ。

そして、今回のこの本。
「ね、ほんとに、すごいでしょ」!
少なくとも、3歳くらいの幼児から小学生中学年まで、この日、会場にはかなり活発で、抜群の発音の、「最初は卵でしょ!」などという表現ある朗読が響いた。
それに、ぽんぽん楽しい反応があちこちから……。

「初めてで、英語は出来ないから、どきどきしている」と自己申告の子たちもいた。
しかし、中盤からその子らの声もよく聞こえ、不安が消えた笑顔だった。

本書のように、ぱっと見で文字が少ない本で、かつ書かれていない情報がたくさん読み取れる本が、RAに実に良く合うと思った日だった。

http://kidsbks.co.jp/?pid=36600009