リードアラウドと健康

高齢者施設で、健常な3人の女性(約90歳平均)との英語絵本朗読は今年で4年目だろうか。
また最近では、恵比寿のカルチャーセンター、平日の午前中という時間帯で「声に出して読む英語絵本入門」という講座を始めた。
こちらの受講生は、恐らく60代とおぼしき女性たち。

ここで興味深い、共通する感想というか述懐を聞いた。
「こんなこと(英語絵本朗読・リードアラウド)でもないと、普段ほとんど声を出すことがない」。
「気持ちがいい」。

「リードアラウドは、英語(の勉強)だけではありません」と、小学3年生が感想文を書いてくれたことがあったが、このおとなたちの声は、その「英語の勉強」以外の効用を教えてくれているようだ。

この感想文を書いた小学生にとっては、人前に出て表現する練習になった。
そして、おとなには?
どうやら、発声することによる身体的効果(?)があるらしい。

おとなのリードアラウドのレッスンでは、わたしは自分が発声の先生から習った通り、warm-up exerciseとして姿勢と呼吸法から始める。
肩甲骨を寄せた感じの、肺がフルにその仕事が出来る姿勢で、横隔膜を働かせる呼吸だ。

鼻から吸って、細いストローで吐くようなつもりで呼気を最後まで出す。
吸うより、吐くことを意識する。

先日、健康番組を見ていたら、「万病の元凶」であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)について話をしていた。
この予防、または治療に役立つ呼吸機能アップの肺トレーニング法、つまり「万病」に効くトレーニング法に、わたしの耳がぴくぴく。

「口をつぼめて息を吐きながら行う」と言うではないか。

つけている動作は違うが、ほぼリードアラウドのwarm-up exercise と同じ。
そして、声をしっかり出して朗読をしている状態も、呼吸機能をアップさせるトレーニング状態に重なる。

「ここ(キッズブックス英語スクール絵本朗読クラス)に来ると、帰りに何だか元気になっちゃうんですよね」
と言っていた人もいたが、こういうことにも一因があるのかもしれない。

リードアラウドのレッスンでは、本の自分なりの解釈を、しっかり声に出して表現する。
そんな、いわば原始的なことだが、これが日本人のおとなの普段には不足気味。
そんな、呼吸機能低下気味の生活を、レッスンが多少なりとも機能アップさせているらしいこと、を思った。
そしてもうひとつ。
おとなの普段の生活から減ってしまった大きな声を出すことに伴う、一種の自己解放。
その自己解放的効果、これは心の健康にも関わるのだろうが、それがあるように思った。

「リードアラウドは、英語(の勉強)だけではありません」。