文鎮堂おすすめBOOKS:Love Is the Higher Law

 Love Is the Higher Law by David Levithan レクサイル指数:920L

「9.11」をきっかけに、NY在住のゲイ男子2人と女子1人のティーンが親友になっていく。その日から約1年間、how nothing was the same(1)を、3人の独白形式で綴った小説だ。自身もニューヨーカーの作者が、自分や人々が当時思ったり口にしたことを書きとめ筆を起こした、raw emotions(2)とでも言うべきものが詰まっている。 Where were you when you first heard?(3)見知らぬ同士は、こう会話を始めた。双塔からの黒煙を背に、「最悪の臭い」が漂うなか、子をやっとの思いで学校まで迎えに来た母。呆然と「We are not supposed to comprehend something like this(4)」と言った。「何か自分にも出来る事をしたい」と、人々は文字通り瓦礫の周辺をうろついた。風雨に灯明が何度消されても、火をともした人々。3人のうちのひとり、韓国系男子は、瀕死の消防士たちに献血する列に加わる。だが献血資格を問う質問票には、Have you had any homosexual intercourse since 1980(5)?の一文が……。3人を始めとして、9.11が米国人に与えた衝撃の大きさ、やるせなさ。これらは、10年後に3.11を経験したわたしたちの胸にも、すとんと落ちる。そして、ああ。ティーンなら、3人のように新たな愛を見つけLove is the higher law(6)なんて言えるのに。
(1)いかにすべてが違ってしまったか
(2)生の感情
(3)どこで惨事を知った?
(4)こんなことを理解するのは無理
(5) 80年からこれまでに同性と性交をしましたか
(6)愛こそ原理

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