「この本ちょうだい」said the girl

公立小学校の放課後授業でリードアラウドを、指導者研修を兼ねて、始めて3年。
本年度が、あと1回で終わる。

わがワークショップの研修生で、本年度通しでリードアラウド指導をしたO先生も、とても魅力的な声がより通るようになり、本のなかの言葉ひとつひとつを、とても大事にして、立体的に読む指導者に変身した。

もちろん、それだけではない!
子どもたち。
最後まで受講し続けてくれた子、数人になってしまったが、「チンプン、カンプン!」と言っていたのに粘ったその子たちの変身ぶりが、すごい。

昨日は、3年生が学級閉鎖だったので、2年生と6年生の受講だった。
来週の発表会に向けての練習で、Bark, George を役に分かれて読んだ。

犬なのに、犬の鳴き声で吠えないGeorgeの母犬が、だんだんじれてくる。
何度かBark, George!「吠えなさい、ジョージ」
とGeorgeに言うのだが、その言い方を母犬役の2年生女子が、ちゃんと徐々にじれていく感じで読んだ!

それだけではない。
reached という発音にひっかかった(長期リードアラウド欠席していた6年生)に、2年生ふたりがお手本のように、すらすら美しい「r」の発音を交えて読んだのだ。
6年生は、それでもなぜ読み直しをさせられるのか分からない。
2年生は、また「なんでできない?」と言った感じで、すらっと読む。
6年生の読みが何度読んでも、「leached」なのに気がついているのだった。

そして、嬉しい困った話。
学校の「備品」としてあるBark, Georgeの絵本(生徒の頭数分)を、「ちょうだい」と言う。
「わたし、この本、だ〜い好きになっちゃった」

目の前の本が、それも英語の本たちが、嬉しさでぷるぷる震えているようだった。

P.S.
6年生の問題:森(文や物語)を見ないで、木(単語)を見る。
「あ、ここに、theがある。toがある」
4年生の初めてリードアラウドに顔を出した頃は違ったと思うが、今や読み方は、ぶつぶつ切れていて、何を読んでいるのか物語が聞こえてこない。

そして「現在進行形ってのを知ってるよ」
と言うのを聞いた時、「はは〜ん」ときた……。

「中学校」という大きく書いた鎧戸が、わたしたちreaders-aloudとその6年生の前に降りて来た瞬間だった。

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