尾崎豊の歌のタイトルみたいだが、15歳の頃の、それも家庭科のクラスのことをふと思い出した。
いつも昼食後の午後の授業だった。
女子だけが行く家庭科室は別棟で、上履きをぬいで上がる日本式家屋のようになっていた。
授業が始まる前までに、ある楽しみがあって、昼食を済ませるとわたしはいつも家庭科室へすっ飛んで行った。
ある楽しみ。
それはそこにある洋雑誌、SEVENTEEN を読む(眺める?)ため。
まだ洋雑誌が高くて珍しかった頃だが、毎月新しい刊が家庭科室には届いていた。
砂糖にたかるアリのように、数人の女子が1冊のSEVENTEENにたかっていた。
わたしも、アリンコの1匹だった。
どの先生の代に始まった習慣か知らないが、そして一度もお礼を言ったことがないが、学校や先生にお礼を言わなきゃ、と思った。
学園、そして家庭科の岩渕先生、どうもありがとうございました。
ただの洋雑誌、それもファション誌だったが、異文化がきらきら誌上で光っていた。
洋雑誌は、臭いまで違った。
アメリカの臭いかなと、みんなで、くんくん鼻を近づけたりした。
写真やイラストだけでなく、楽しそうなアメリカ少女たちの話題も書かれていた。
「英語を楽に読みたい」と15歳のわたしは強く思ったのである。
他にも、いろんな要因があって、わたしのなかの英語熱は高まったのだが、あのときのあの雑誌の力も、かなりのものだったんだ、と近頃思う。