子どもの心、詩心で『Snow』を読む

Uri Shulevitz作のSnowという絵本が好きだ。
冬の足音が聞こえてくる頃に、あちこちでこの本をリードアラウドする。

筋というよりも、詩情を味わう本だろう。
絵と言葉が素晴らしく符合し、言葉の響きが美しいので反復が楽しい。
限られた言い回しで、心模様が推し量れる。
つまり、リードアラウドにぴったりの本なのだ。

大人、それも絵本を子どもたちに朗読したり教えたりしている大人たちとも読んだ。
今年は小学1年生16人と先日、読む機会があった。
そこで、それまで持っていたある感触が、確信に近いものになった。

本書の要となるセンテンス、雪が降りだしたことを喜ぶ少年のせりふだが、It’s snowing! というのがある。
その言い方・読み方についてだ。
子どもの、その部分の読み方で、違和感を感じることはほぼゼロ。
なのに、大人の読み方には7,8割ほど、本の本質を汲んでいない違和感を感じる。
つまり、英語はまだまだでも、子どものほうが、この本をよく理解できているということ?

大人たちと読んでみるまで、この「逆転」現象に気付かなかった。
他の本、Walter Was Worriedでも、雨が雪に変わり大喜びする場面が描かれているが、そこも子どもはするっと本の流れ通りに読むが、大人のはなんだか引っかかると思っていた。

雪が降り始め、それが積もってゆく冬の日の、子どもや大人の生活を詩的に描写した古典絵本、White Snow Bright Snow を今朝読んでいて「!」、はたと気付いた。
Snowの喜びを大人が忘れているんだ、それがsnowを描いた絵本を上手く読めない理由じゃないか。
そして絵本の作家、それも後世に残るような名人は、やはり詩心がある人、アーティストで、普通の大人を飛び越して、子どもの心と直結している。
普通の大人は置いてけぼりなんだ……。

そこで、だ。
大人なのに、そして「先生」だったりするのに、たとえば、It’s snowing! という子どもの嬉しさが溢れるせりふを、子どものように読めたらどうだろう。

そうすると、「お勉強モード」が、ぱっと「お楽しみモード」に切り替わる。
そのせいだろうか、小学1年生のクラスなどで、「ぼくも」「わたしも」と「読みたい読みたい」の挙手が増えたり、子どもの声が大きくなるのは、こんなときだ。

大人がリードアラウド上達を目指すなら、子どもを観察して子ども心を思い出すのが近道なのかも知れない。

P.S.
12月11日13:30~14:30
神保町ブックハウスにて
ShulevitzのSnow リードアラウドします。
子どもたちの素晴らしい表現力を、大人はお楽しみに。
(参加予約は直接神保町ブックハウス:03-3261-5691へ)