Madelineを2年生と読んだ

子どもに英語絵本を楽しませるリードアラウド、その指導で強調しているのは、子どもに想像力を働かせる時間を与えること。

先日は、リードアラウド3度目の小学2年生16人とMadelineを読んだ。
拙著『声に出して読む英語絵本』で推薦した100冊のうちの77冊目、「中級」とした絵本だ。
この私立の小学生たちは、学校で1年生のときから英語の授業があるとはいえ、まだ2年生だ。
本書はチャレンジというつもり、多少こちらもドキドキして選書した。

本文は韻を踏んでるので、ちょっと凝っているし、ページ数も多い。
飽きさせずに、限られた時間内に、物語のエスプリをどう分からせるか。
それには、絵を見てどんな内容か想像できることを、どんどん発言させる。
それから、指導者の朗読を静聴し、聞き取れ理解出来た言葉で、想像を補い、より深い内容理解に近づける。

その結果は……
時間オーバー4分と、後半が駆け足(前回の本の復習で盛り上がって、時間がとられた!)になったことと、男子約2名が眠りそうに(!)なったのが、マイナス点。
しかし、その他の作戦は、おおむね成功!

「リードアラウドは選書の妙」などと自負しているが、このMadelineの絵には、特に洒脱さと文を再現する正確さもあって、何度見ても感心する。
実に、いい本だ。
だから、絵をよく観察させて、あとはそこの2〜3語の意味がわかるだけで、物語がたどれる。

ああ、それにしても驚くべき子どもの想像力と耳である。

ただ、傑作な勘違いがあった。
冒頭、Madelineの寄宿舎の絵。
その絵を見て、「洗濯物が干してある」。

それを聞いて「エエ〜、パリの街の古い館なのに」と、一部のマドレーヌ・ファンたちは悲鳴を上げるかもしれない。
でも、よく見ると……、なるほど!
黄色い、ちょっとボロボロのシャツが干してあるみたいに見えないこともない。

でもこの後、聞き取り力で修正。
「聴いて、確かめよう」と言うと、教室がシーンとした。
…was covered with vines.
と読む。
「?」
もう一度、読んだ。
すると手があがり……「洗濯物じゃなくて、vine!」
とひとり。
もうひとりが「はっぱだ!」
どこからか「ツタ?」

お見事でした。

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