リードアラウド、どろ²派とさら²派

昔の蛍光灯は光るまで時間がかかった。
わたしの「気付き」もしかり。

近頃になって、気付いたことがある。
リードアラウドに興味を持って下さった方々は、その絵本の読み方のタイプで大きくふたつに分けられるということ。

ひとつは、思い入れ熱く、時にはおどろおどろしく「やりすぎ」とも思われることもあるタイプ、仮に「どろどろ派」と呼ぶ。
この派には、教育現場に既に立っている方で、とりわけ生徒たちに人気の先生が多い。

もうひとつは、楚々として「才女風」、英語をさらさら読み、時には近寄りがたい空気も漂わすタイプ、「さらさら派」とでも呼ぼうか。
朗読を中心に活動してきた方が多い。

そのそれぞれが、リードアラウド(RA)に何を求めていらしたか。

どろどろ派は、印象的な読み方を残しつつも、もうちょっとサラっと読むのもマスターしたい。
さらさら派は、子どもに読んだときに、もっと手応えが欲しい。楽しませ、印象付ける教育的な方法もマスターしたい。
こんなところだろうか。

興味深いことだが、それぞれの派が互いに認め合っているようでもある。
そこで、わがワークショップが、その「技」を交換する場にもなっている。

WS参加後、それぞれに、迷いの時期が同じく訪れることにも、気付いた。
どろどろ派は、「演技過剰でクサい」とか、「役を作りすぎ」とか講評され、どうしてよいか分からなくなって、のっぺらぼう、つまり棒読みに戻ってしまったりする。
反対にさらさら派は、その読みからは「情景が見えない」「英語が分からない子にはチンプンカンプン」とかいわれ、ところどころ思い入れをしてみるが、上すべり。全体としてまとまらなくなってしまう。

もしこの時期にやめることになったら、本当に本ワークショップは罪作りな場になってしまう。

声を大にして言いたいのは、このRAの迷いの「トンネル」のむこうには、明るいむこうがあるということ。
ときには、わざとちょっとくどめに読んでも、子どもを楽しませ、英語を印象付ける。さらっと伝えたい物語のときは、ごく自然な読みながら情感豊かに、絵本の世界を伝えることが出来る、明るいむこう……。

わたし自身が、お先真っ暗になり、それでもアドバイスや観衆の反応をもらいながら練習を続けて、いつしかそこを抜けて来たから、よくわかる(でも、「トンネル」はひとつではないのだが)。

より適切なアドバイスが出来るよう、WSがさらに有意義なものになるよう、わたしも腕を磨こう。

Little Blue & Little YellowでWS参加のみなさん。
迷ったら、
1.まずは表現を考えずに、愚直に何度も読んでみて。
2.その後、棒読みだと感じるところを、「これ、青ちゃんだよ」「友だちいっぱいいるけどさ、一番の友だちってのが、黄色ちゃん」などと、口語で誰かに語りかけるように言い直してみる。
そしてそのノリに乗せて、英語を読む。

覚えるくらい読み込んだとき、ふっと力が抜けて、自然でありながら生き生きと、語るように読めるようになる。

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