リードアラウドで褒める! 褒める! 褒める!

夏休み明け最初のリードアラウドが、区立小学校であった。
放課後の学習枠で、2年生から6年生の子どもたちが一緒のクラスだ。
リードアラウド指導者の研修も兼ねている。

始まって早々、2年生の女子4人の様子が変だった。
叫ぶ。そして叫び始めると止まらない。
喧噪の中、研修の先生は、唖然としながらも上回る声を出そうと頑張っていた。
よく観察すると、ひとりの女子が「火元」のようだった。

ちょっと待て。
何を叫んでいるか聞こう。
「ぜーんぜん、わかんない」
「えーごなんて、わかりっこない」
「いくらやっても無駄」
「えーごをペラペラしゃべる日本人、だーいきらい」
すべて、見事にnegative statement!

リードアラウドの約束「分からないところがあったら『むにゃむにゃ』でもいい」を盾に取り、
彼女たちは、始めから終わりまで「ムニャムニャムニャ!!!」と叫んで妨害。

No! No! No!
これは、英語がどうこうという問題ではない。
このnegativeさ、自己評価の低さは、愛の欠如に問題がある。

夏休みの間、家族からのattentionが足りなかったのだろうか。
週にたった45分しか会わないわたしたちが、ちょっとやそっと手を差し伸べたところで、効き目が薄いかもしれない……。
いや、こういうときこそ、リードアラウド指導法の特徴のひとつ「褒める」。
何かひとつでも上手にできるようしむけ、「褒める」を3乗くらいするのだ。

この日の絵本は『A Is for Salad』。
まずタイトルを全員に読ませた。
ひとりあてるたびに全員で復唱という練習を重ねた。
そして「火元」の女子の番。
日本人は「sa-ra-da」と発音しがちだが、その子は「salad」と語尾に母音を入れず、「l」もきちんと発音できたのだ!

すごい! すごい! すごい!
本当に凄いと思ったので、褒め言葉が3乗になった。
クラスのみんなも同意。
そのときの彼女の誇らし気な顔ときたら!

微力だが、子どもたちに「できた!」という成功体験の「貯金」をたくさんして貰えるよう、リードアラウドしていきたいと思う。

A Is For Salad
『A Is For Salad』

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