リードアラウドと褒めること

昨夜、NHKで『脳がよみがえる:脳卒中・リハビリ革命』を見た。
脳卒中の治療で新たなリハビリが開発されて、それらが目覚ましい効果をあげているというレポートだった。

そこで、リードアラウド指導者として、鳥肌の立つような場面に出くわした。
患者には、リハビリ中に具体的に褒められること、ちょうどのタイミングで褒められることが、驚異的な効果を呼ぶ、ということが脳の神経科学的に認められているというのだ。
CalTech大の日本人教授が、褒めることとリハビリ効果の相関関係を科学的に明らかにしていた……。

褒めを受け取る脳の中枢が、リハビリでやろうとしていることの回路に刺激を送るようだ。
「褒める」ことは、リードアラウドの本番中に大切なことのひとつと、拙著『声に出して読む英語絵本 初めてのリードアラウド』に書いた(p.53-54)が、褒めることのリハビリ効果は、学習効果と重なるだろう。

ただし、褒めるのはリハビリでもリードアラウドでも
1.具体的に
2.タイミングよく
である。

リードアラウドの指導者研修などで、ときどきクラスを指導中の研修先生を差し置いて、わたしが口を出してしまうことがある。
それは、研修中の先生が、目の前である生徒が素晴らしい読みをしたのに、具体的な褒め言葉を、そしてその直後にかけなかったときだ。
「今褒めることが、その子の英語への将来を方向付けるかもしれない」と思うと、いても立ってもいられなくなってしまうのだ。

「気付き」を大切にとも、日頃、指導者のみなさんには言っている。
出来るだけ生徒のひとりひとりを見て、成長が見られた時に、すかさず、どこどこが良くなったと、出来るだけ具体的に褒めるよう努めたい。

リハビリ中の患者は、みんな大人だ。
それでも、褒められたことがどんなに励みになったか、とても印象深く語っていた。
励みが、客観的な目に見える効果を生む。

さあ、リードアラウドでも、これまで以上に意識して褒められるよう、生徒のどこがよくなったかを知る観察力と、すぐに褒め言葉が出る反射神経を養おう。

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