小1、16人と熱心な親御さんの参観者約10人の教室は、節電の影響もあって、むしむし。
のぼせたような顔の子も、ちらほらある。
午後でもあり、本もGoodnight が繰り返される。
眠そうな顔が……。
そうでなくとも、1年生にとっては英語文字の多い本である。
さあ、こんなときは、ミッケ!
Goodnight Moonの挿絵には、本文では語られない小さな発見が隠されている。
この日、1年生に投げかけたのは、mushの謎。
ウサギの坊やがベットに入ってすぐの頃の絵では、a bowl full of mush おかゆ状の食べ物が、お椀にたくさん入っている。
でも、最後の暗くなった部屋のmushはどうだろう?
「あ、へってる!」
ちゃんと違いを発見してくれた。
そして、この問いかけで、ちょっとクラスに活気が戻った。
「ネズミが食べた!」
すると、さっさっさっとページを大急ぎで繰る音。
みんなが、ネズミの動きを挿絵ごとにたどっていた。
静かな部屋の、静かな時の流れという、詩的なテーマにも、まあ多少触れられたかな、と思う。
この日、1年生とのGoodnight Moonでは、語彙の勉強をテーマにしてみた。
たくさんの新出の語彙の聞き取りと、綴りの解読が出来るように、が目標だ。
まずはSilent Gameと称して、わたしが本文のイントロ部分を読む間に登場するものを、順に無言で絵を指させた。
例えば、「And a little toyhouse」と読んだら、子どもたちは各自の本の部屋を描いた挿絵上で、人形の家を指差す、という案配。
ほぼ完全に聞き取れる子もちらほらいるのは凄いが、わたしの目標は、1年生の春から英語をやったばかりの子たちでも、その言葉を認知できるようにすること。
「moon」を読んだ時は、わたしが期待した大きな月だけでなく、小さく描かれた三日月まで、両手を駆使して指してくれた。
こういう、詳細のミッケに興味がいくのが、子どもらしさのひとつなんだと再認識。
子どものこだわりとも言える、こういう詳細への興味を、大人の鈍感さでつぶしてしまわない心がけが、授業では大切だと思う。
本書の語彙のなかで、子どもとしても「大人っぽい」と感じるのが、nobody だろう。
本書中のbig wordだ。
和書をそらんじている子がいて、「だれかさん」と言ったのには驚いた。
nobodyが何なのか、何も書かれていないページで考えさせるのが、わたしの密かな楽しみ。
この日は、「だれかさん」のおかげで、ちょっとその(自分勝手な)楽しみが減ったが、でもこの本の愛読率の高さはダントツだ。
原書で、そしてちょっと大きくなった子どもたちに、これからもこちらの腕を上げて、楽しませて行きたい。