2年生とFive Little Monkeys!

連日の吉祥寺、この日はレモネード・スムージーで身体を冷やしてからの「出働」だったせいか、暑さはちょっと楽……。

この日の本、Five Little Monkeys Sitting in a Treeを手にした2年生たちは、
Five Little Monkeys Jumping on the Bed
とチャンツを言い始めた。

通常の英語クラスで、ちょうどそのチャンツを習ったところだったのだ。
それは都合がいい。
少なくとも「Five Little Monkeys」は、読めるのでちょっと省力化ができる。

自由が丘で主宰しているリードアラウドのスクールで、ある授業のあとに「抽象的で子どもが理解できない」と以前、指摘されたことがある。
指導者陣で議論したが、それは本を「説明」してしまったためだろう。

リードアラウドの指導者ワークショップでも、力説するのは、なるべく本を「説明」してしまわないこと。
説明せずに、または逐語訳をせずに、内容を絵と指導者の表現力で具体的に理解させるのである。

この日の本を、チャンツとしてではなく物語として読むには、これまでDavid Goes to Schoolと、Time to Say “Please”をリードアラウドしただけの2年生には、ちょっとハードルが高い。
読むだけでは「抽象的」かも知れない。
それを、具体的にするのには、5匹のサルと1匹のワニ役を子どもたちにさせることにしている。
この日も、実は、それを見るのを楽しみにしていた。

これの役をやるときの子どもたちが、実にかわいい。
先生とは、なんと贅沢な職業かと思う。
子どもたちのかわいさが、最前席で見放題なのだから。
(これを親御さんたちと分かち合いたいので、参観は大歓迎なのである)。

でも、もちろん目的は、大人たちのこんな喜びのためではなく、絵本の内容を子どもひとりひとりの頭のなかで具体な記憶として残す事。
見るのは、または演じるのは、聞くだけとは大違い。
本書では、何気なくheとsheも使われていて、サルも男3女2の比で演じさせると、自然に男子でhe, 女子でsheを使うことを、現実の体験のように学べる。

木に登ってワニをからかっていた5匹のサルが、怒ったワニに順番に食べられてしまった……と思わす物語の展開だ。
1匹、また1匹と、ワニをからかったサル役の同級生が、目の前から消えて行く。
これを見たから、もうこの話のすじは、見てのとおりと納得できただろう。

何度か本書を子どもたちとリードアラウドすると、浮かび上がってくる「ここで教えたい事」がいくつもある。
この日、とりあげたのは中でも「まっさきに」と思うこんな言葉。

ひとつが、tease 、からかうという動詞。
もうひとつが、dangerous、危険であるという形容詞。

英語圏で暮らしている子どもたちだったら、社会的にまっさきに学ぶteaseは、日本では下手をすると大学生でも使えない。
そんな言葉を減らしたい。
本書ではこの語が何度も登場するので、会得するチャンスだ。

一方、dangerousは、1度しか使われないが、この学齢の子どもにはbig word。
だが不思議な事に、発音すると難しいがなんだか快感がある。
マイケル・ジャクソンもこの語が頻出する歌を歌っているが、語感がいいためかもしれない。
音だけでなく、この語が意味する事を知らないと、命にもかかわる。
サバイルバルのために、まっさきに教えておきたいと思う。

ぎっしり、指導者としての夢のつまった60分、楽しんでもらえたかな。

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