リードアラウド・ワークショップ、1ポイントレッスン

ここ3回のワークショップで、絵本のvoiceというものを練習している。
絵本の登場人物の語りである。

Rosie’s Walk では、ナレーターひとりの声だった。
Cat the Catでは、ナレーター、主人公のネコ、ネコの友だち(4人)。
先日の3回目は、Rhyming Dust Bunnies は、ずっと出ずっぱりで4人が交互にしゃべるもので、4者を際立たせるのが難しい。

絵本自体も、入門者レベルから階段を一段上がり、初級レベルに相当するものだ。
あらかじめ、本ブログで予習ポイントを書いたが、そのせいだろうか?
ワークショップ当日、やけに最初から参加者たちの完成度が高い。
うかうかしていられない参加者たちを前に、緊張する。

さて、「完成度が高い」からこそ、「あとちょっとの演出で、子どもたちをうんと楽しませ、英語をやる気にさせ、学習効果もあげられるのに」と、指導が熱くなる。

今回は、「声の分離」が主テーマ。
初級程度の子どもが聞いて、登場人物の誰のせりふか、登場人物たちの声が際立つと、ドラマが見えて、結果的に子どもたちが飽きない。

この日のワークショップ中に、「ここをちょっと変えれば劇的にウケる読みになる」ワンポイントが見えた!

登場人物中、ボケにあたる役(ボブ)が何回も、その場にそぐわないことを言うのだが、そのボブの声や言い方を、子どもに分かりやすいほど大げさに変わった声(まぬけ声とかすごく子どもっぽい声とか、癖の強いしゃべり方とか)にするのである。

そのボブのせりふを、他の3人が交互にマネして、言い聞かすせりふが直後に続くのだが、そのちょっと長いセリフがこれで、英語があまり分からない子どもにも、まるで歌のサビのように突出して聞こえる。

そして実は、この学習効果はおまけで、こうすると何しろ聞いていて面白くなるというのが、一番の効用。

リードアラウドは、英語がまだよく分からない子どもたちに、絵本を楽しませるのがミッション。
そのミッションの遂行には説明力ではなく、どうしても指導者側に、読み方ひとつで解釈させる技量が必要なのである。

お笑いに説明が野暮なのは、みんなが知っている。
読書も同じ。
読んで味わう前に、説明されても興ざめだ。
リードアラウドも同じだ。
まずは楽しませなきゃ。

●お休みしたメンバーに
ポイント2: 4人の登場人物のせりふを言う間隔を、irregularに。
4人それぞれの声だけでなく、性格付けもすると、そのせりふまわしに、自然な間があきます。
たとえば、せっかちはすぐに、前の人に続けてかぶせるように言うし、のんびりなら、ぼうっと間があく。
次回は、Readers Theater形式で、参加者にこの本をちょっと復習程度にやっていただくつもりです。

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