リードアラウド授業記録5.11.11

使った絵本は、David Goes to School、目標は、場面とそこにいる先生の気持ちを理解して、読む。外国の学校生活に興味を持つ。

リードアラウドが初めての子はふたりのみ、それでもRAの約束4つがなかなか出ないので、デモンストレーションしながらみんなで確認、再確認。
大文字、小文字の別は分かるが、DavidとDAVIDが同じと分からないようだったので、板書したDavid/DAVIDで、文字の確認、なぞって読む練習。

この作者の絵の表情が秀逸なこともあって、最初の場面から「デーヴィッド、遅刻した」の声が生徒からあがる。
なぜそう思うかも、「みんなの上着がかかっているから、みんなはもう教室にいる。なのに、デーヴィッドは今、入ってきたから」などと、生徒たちの細かい気づきが素晴らしい。

「もう読めるかな」と尋ねると、最初は、英語をもともと習っていて自信のある子が数人挙手するばかりの展開だったが、「先生も一緒に読む」と言うと挙手が増えた。
RAの約束のひとつ「(最初のうちは)わからないところはムニャムニャでOK」を強調し、指導者の声をかぶせてあげると、いつもいい展開になる。

また、読んだ英語のニュアンスを、指導者が日本語でのニュアンスに置き換えると面白がって、活発にいろんな表現を試すようになるが、この日は特にそうだった。

I don’t care who started it!
など、「どっちが(けんか)始めたかなんて聞いていません!」とカンカンに怒って言ったり、「どっちが先かな〜んてどうでもいいわ」と聞こえたり、疲れ果てたように「もうどっちでもいいから」と言っているみたいだったり、生徒たちは意図せずいろんな読みをして、それが日本語だったらどう聞こえるか、映画の吹替えよろしく即座に指導者が言いかえると、大笑い。

後半、先生の堪忍袋の緒が切れたかで、せりふが赤い文字になる場面があるが、この日の生徒は、特記に値するほど、その展開をよくつかんでくれた。
これまで指導者養成の実習などで、研修生には、この場面は文字も多く説明的になるきらいのある指導の「難所」だったが、この日はするりと生徒の理解が得られた。
「もう、先生怒った」「あ〜大変だ」などの生徒の発言から、よく理解出来ている事がみてとれた。

デーヴィッドがそれまでしでかした事を、説明ではなく、実際に先生の気持ちを疑似体験するように読んでいったのが功を奏したのでは、と思う。

That’s it mister.You’re staying after school.
この、英語入門者には、かなり難しい英文を、感心するくらいカンカン怒った感じ、あるいは凄い剣幕で、何人もの生徒が読んでくれた。
当たらなかった生徒の残念そうな顔、顔、顔……。

経験的に分かるのだが、この学校は、たぶん伝統的に、「ノリ」がいい。
(時に「悪ノリ」もあるのだが。)
みんなが、面白い場面など実演したくなってしまうのである。
これは、とてもリードアラウドと相性がいい特性なのだ。

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