わたしの目がふし穴

書店でのリードアラウド、今年第1回目は、The Odd Egg。The Odd Egg
『The Odd Egg』
イースターもそろそろだし、珍しくイギリスの作家の作品だし、ちょっとした仕掛け本で年少者も楽しめそうだし、ウン、これはいい選書!と自画自賛気味。
事前に何度も読みながら、ここで子どもを笑わそうとか、じらそうとか、子どもたちにやらせるとかわいいだろうなとか想像をふくらませて、当日を楽しみにしていた。

当日の朝、いつものことだが、始まってしばらくは子どもたちがおとなしい。
でも、「ヘンなたまごッ!」と、主人公のカモのみつけてきた、大きな卵について言わせたり、「ぜーんぶ他の鳥は卵があるけど、あーあ、このカモだけ卵がないっ!」のように、本文を感じを出して読むよう指導するうちに、打ち解けて来た。

拾って来たヘンな卵を温めるカモの話なのだが……。
He waited waited and waited っていう文まであったのに……。
なんとなんと、He(オス)だから卵がないっていうオチに気がつかず、言及することなく、そのままみんなを帰してしまったのだ!

「鳥のオスはメスより、おしゃれが多い」 なんていう説明までしていたのに、このカモがオスなのに気づかなかった……。
ああ、最後に「ママッ!」って、ワニの子にオスのカモが呼ばれ慕われるのが、ほんとはもっとおかしく、ちょっと哀しいシーンでもあったのに。

He を無視し、カモの羽の色を見落とした。
先入観で見てしまって、絵本をつぶさに観察しなかった。
わたしの目が、ふし穴。

ほぼ執筆を終えた自著『リードアラウド・ハンドブック』(仮題)で、さんざん読者に向かって言っているのが「本の観察を丁寧にすること」。
ああ、なんってこと!
言っている自分が見落としちゃたじゃない……。

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