大人の目はふし穴?

小学生とリードアラウドすると、毎回のように発見がある。

先日、2年生と『The Napping House』をリードアラウドした時のこと。

『The Napping House』は、家中、昼寝をしてしまう話だ。
おばあさん、子ども、犬、猫……とベッドに重なって眠りについていく。
唯一、目がぱっちりなのがノミ。
さあ、たいへん、となる。

生徒たちはまっさきに、各ページに描かれている小さなノミの絵に気づいた。
もちろん、わたしもノミの絵があることを知っていた。
しかし実は、初めてこの絵本を読んだときは字を追ってしまい、ノミを観察したのはずっとあとのこと。
「あ、ここにもノミ」「ここも!」
あっという間に、楽しさが教室に広がる。

翌日、別の小学校で『Little Blue and Little Yellow』をリードアラウドした。
『あおくんときいろちゃん』の翻訳本も有名なので、内容をご存知の方も多いと思う。
アートっぽい抽象的な形だけで家族や友だちの大切さを語っている絵本だ。

四角くちぎった紙に、長楕円形と短楕円と小さな「●」が入っている場面。
大人は英文を読んで、小さな円が子で楕円形が両親だと分かる。
リードアラウドの手法で逐語訳せず、生徒たちにどうわからせよう……。
そんな、インターンの先生の心配をよそに、
「あ、これ家族みたい」
と2年生がひとこと。

黒い四角にいろんな色の「●」が並んでいる別の場面。
大人は英文を読んで「in school……」とすぐに分かる。
「生徒に分かるかな……」と不安をかかえた先生が説明するよりも早く、
「学校だよ、これ」
と生徒。

ぜんぜん説明なしで、子どもには話が見えてしまう。
こんな絵本を作った作家も凄いが、子どもも凄い。
凄くないのは、「この本は子どもには難しい」と思い込んでしまう、目がふし穴かもしれない先生たち。

恥ずかしながら、わたしは、黒い四角は学校の建物で、黒は厳格さを表していると思っていた。
なんで学校だと思ったのか、生徒にたずねてみた。
「黒いのは、黒板!」
そ、そうでした……。

The Napping House
『The Napping House』

Little Blue and Little Yellow
『Little Blue and Little Yellow』

キッズブックス英語スクール 絵本リードアラウドコース・小学生クラス
『キッズブックス英語スクール 絵本リードアラウドコース・小学生クラス』

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