ニュートラルな英語発音

首都圏の私鉄/地下鉄で通勤しているが、車内英語放送がいつの間にか、気持ちいい、違和感のないものになった。
駅名を以前は、北米風の発音、たとえば
shi-BUYA
のように、渋谷が「ブヤ」と聞こえ、その発音で日本人に尋ねても、渋谷のこととわかりにくい発音で、外国人自身も困るだろうと思っていた。

それが、いつからか、ちゃんとShi-Bu-Yaだし、難関の「表参道」も、冷静なはっきりした発音で、Omote-san-doo と発音。

駅名だけでなく「次の停車駅は……、(乗り換える駅かも知れませんよ、注意して)シブヤ」と、どことなくやさしい心が伺える。

まだ、ときどき違う電鉄の電車(地方のときが多いが)に乗ると、高飛車なネイティブ英語のネイティブによる声とか、「英語の発音が、わたくし素晴らしいの!」といったうぬぼれた感じでいて、どこかナマっていたり、抑揚が場違いだったりで、違和感を感じる車内英語アナウンスがあるから、首都圏のこのよさがよくわかる。

どういう人がどう言うコンセプトを持って録音しているのかな、と思っていたら……。
わたしの使う路線かどうか分からないが、20社以上の車内放送を担当しているという声優でタレントの、クリステル・チアリさん(昔「英語であそぼ」に出ていた人)がコメントしていた。

駅名の発音については、
「〜私は日本生まれ、日本育ちなので、日本語の、固有な響きを聞いてもらえるのはうれしいです」。
英語部分の発音にも悩んだと言う。
「(英語発音にはいろいろあって)あちらを立てればこちらが立たず、なので、私はニュートラルな英語を選びました。〜ゆっくり〜どなたの耳にも優しいように」。

そして、ああ、やっぱりと思ったのは、次の発言。
「車内アナウンスの一番目のポイントは、分かりやすく、聞き取りやすいこと。けれど、エンターテインメントとしての要素も欲しい。私の声で、車内に一瞬でもホッとした空気が流れたらいいなあと思いながら、録音に臨んでいます」。

リードアラウドする指導者の読みや、声にも共通する心構えだと思う。

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