バナナはおいしいから……

 芥川賞受賞作家でもある、中国人のヤンイー(楊 逸)さんがインタビューで、教師として「!」と思う発言をしていた。

 以下、引用:
 私は中国語教師の仕事をするようになったのですが、〜中略〜「おいしい」は「ハオ・フー」と、簡単な言葉を何回言わせても、優秀なエリートに違いない(註:日本人ビジネスマン)のに覚えられない。(中国)赴任のプレッシャーと義務感で、脳が拒絶反応を起こしているんだと思いました。〜中略〜興味のないことを「勉強しなければ」「何とかしなければ」と考えることが、私は好きじゃない。

きっと人は、頭でそう考えても吸収できないはずです。人間は知恵もあり、学びもし、プライドのあると私たちは考えるけれど、実はそれが、これから伸びていくためには大きな障害になっている。

自分は人間じゃなくて、猿や犬と考えてみてください。
バナナは栄養があるからではなく、おいしいから食べたいのだという素直な気持ち。それを大切にして生きていっていいのではないですか。

〜(中略)〜大切なのはあなたの充実感や好奇心です。それが仕事も学習もたのしくしてくれる〜(後略)。

引用終わり。(朝日新聞:2010.12.5 朝刊32頁より)

リードアラウドが、子どもにとって「おいしいバナナ」を知るきっかけにならなきゃな〜。
自分自身、「栄養あるからバナナを食べた」傾向のある先生方は、要注意。
バナナの「栄養価」を、子どもたちに強調しすぎていないだろうか。
自分だって、今も「食べている」のは、実はバナナがおいしいからじゃないですか?

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