中1、Dr. Seussで笑えたか

ナンセンスを楽しめると、絵本はかなり面白い。
井上ひさし、つかこうへいや筒井康隆などの作品は、ナンセンスが光っていて面白いが、Dr. Seussの絵本にも近いものを感じる。

たった1回の練習だけで、男子中学生たちに Dr. SeussのGreen Eggs & Ham を読んでもらった。
結果的に、それなりなナンセンスの感じが出て、聞く方はかなり楽しませてもらった。

この日、図書館に集まった中1たちの前に、急に登場した、見知らぬ中年のわたしと赤い英語の絵本(Green Eggs & Ham)。
「エ〜、なんで絵本」「何で、図書館の授業に英語」「なんでこの人」などなど、気持ちはお察ししたが、授業は受けるのが中学生の運命。
中1男子24人にリードアラウドするのが、この日のわたしの運命。
秀才たちだから、無駄な抵抗はしない。
すぐに本をパラパラ見て、英語モードに入ってくれた。

小学生が相手のときは、文字の多さがストレスになるので、見かけ上、文字の少なそうな本を選ぶことが多い。
ところが、秀才肌の中学生の場合は、多分プライドもあって、文字が多く見えるほうがいいのかもしれない。
ただし、字は多くとも、案外簡単な語彙のもの。

そこで、Green Eggs & Hamだ。
50数ページある本だが、使われている語彙は、たった50語。
それもちゃんと勉強している中1なら、ほとんど辞書なしで意味の分かる語だ。

苦労したのは、ふたりしか登場しないこの台本のような本文を、どうクラス全員にふりわけ読ませるか。
かなり難しかったが、どうにかこうにか……。

何度も読まされる同じようなせりふに、
「え、またオレの番?」「え、またこのせりふ?」
の声が、苦笑とともに聞こえる。
苦笑も笑いのうち?
繰り返すうちに笑えて来たら、ナンセンスを解したということかな。

英語で書かれたナンセンス文学を、中1も、そのまま英語で分かって、笑えた(ような?)45分だった。
Green Eggs and Ham Book & CD (Book and CD)
『Green Eggs and Ham Book & CD (Book and CD)』

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