表現を追求するとは

プロの声優や俳優のコーチ、中西先生を招いて指導を受けている、わが指導者向けワークショップ
いよいよ、2010年度の最後の2回。
課題書は『おじいさんの旅』とその原書 Grandfather’s Journeyになる。

「Repeat after me」と英語の先生として生徒を指導する人なら、ふと思うことがあるだろう。
「わたし(me)は、みんながマネすべきほど上手に読んでいるか」

英語そのものを正確に、引っかからずに読むのはスタート点にすぎない。
その本の内容を伝える表現まで考えた読みになっているだろうか。

ズキッと胸に「差し込み」がきたのが、3年前。
英語を「ペラペラ」薄っぺらに読むことで、「目眩ませ」しているんじゃないか?
気がついたら広がっていた、こんな疑問の黒い雲に、心をすっかり覆われてしまった。

そこで、中西先生の門をたたき……、表現者への長い階段を一歩一歩上がり始めた。
まだまだ頂は遠いが、下にもこれまで上がってきたステップが見えるようになった。
そこで、少しだけ後進のみなさんに、特に11月のWS参加者に参考になる練習法をちょっと……。

今日から毎日1回、課題書の原作と翻訳それぞれを読む。
このとき、まだ表現を深く考えないでよい。
絵をただよく見ながら、文字を読む。

これだけ。
だまされたと思って、どうぞやってみて。

中西先生は、伸びそうな兆しを生徒に見た場合、歯に衣を着せない指摘をする。
それをされた人のなかには、傷ついてか不快に思ってか、レッスンから遠ざかる人がいる。
「一番いけないやめかたですね」
そう中西先生から聞いて、なるほどと思う。

問題点を解決しないまま、せっかくの成長が止まってしまう。
指摘は、自意識にもかかわるせいか、ずきっとくる場合があるのは確かだ。
だが、それを避けると上がない。
避ければ、そこまでの人になる。
乗り越えて、やっと上の階段に足を置ける。

多分、若ければ若いほど、「ずきっ」が深い。
幸いそう若くなければ(!)、入ったトンネルはそんなに暗く、怖いところではない。

さあさあ、まずは厳しい指摘を受けられるまで、練習を!

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