中学1年生のとき……

秋になり、再び、おおぜい(!)の中1男子と英語絵本リードアラウドをする機会に恵まれた。

一概に「中1」といっても、自分が中1のときを思い出すと、「なんたって中1」という限界はあるが、それでも幼稚からおマセまで随分と級友の精神年齢に幅があった。
多分「おマセ」に属していた自分を思い起こすと、英語を中1で始め、その初めての科目から学ばなければならないことが果てしなく多いようで、「黒い不安」を抱えていた。

「単語」という英語の最小単位のそれぞれに固有の読み方があること、それはアルファベットを知っていても読めないことが、やっと分かりだし、読めるようにならなければならない「単語」は、いったいこの世にいくつあるのか、それを考えるだけで奈落の底に落ちてしまいそうな日もあった。

そして、「アップル」だと思っていたappleの読みを、「アッポー」みたいに読む同級生(付属の小学校から上がってきた人たち)がひとりならずいて、わたしは「発音」に対しどう追いついていけるのか分からず、家で「何で小学校のときに英語を習わせてくれなかったのか」と泣いた。

今、中1ではなくなったわたしが、中1のみんなの前で、英語を「ペラペラ」読んでいる。
時代が変わったことや、この中学校の恵まれた環境などもあって、わたしが中1だったときのような英語への「黒い不安」を抱えていそうな顔は、目立たない。
軽々と、不安など飛び越している感じもする。
だが、そんな彼らでも、ちらっと心配げな顔を垣間見せることがある。

先日、授業が終わってから、そんな、ちょっとくもり顔のひとりが近寄ってきた。
毎回1回こっきりの授業なので、なかなか質問があっても近寄ってきてくれないものなのに、嬉しい。
そして彼の質問は……
「どうしたら、発音がよくなりますか」。

古典的だった。
まだいるんだ。
あ〜、聞いてくれてありがとう。
ちょっとは、わたしが役にたつかも。

「音を出す時の口から作る。(あご、口、舌、のどなどで)構造的にその音を作って発音するんだよ。鏡で口を見ながら」
と、なにやら熱が入ってしまった……。

コメントを残す

CAPTCHA