Never Say〜Too Often?

指導者養成ワークショップで、Time to Say “Please”! を読んでいるときに、
参加者からある質問が……。

ネズミたちが主人公にPleaseの使い方を教える、というスジの本書、
「Pleaseを(子どもが)言うと、大きい人はNoって言うのが難しいんだよね」という文の後だ。

「You can never say “Please” too often.」

これを、「あんまりしょっちゅう、pleaseって言うのはダメだよ」と解釈したのに対して、
「pleaseは、頻繁に言っても言い過ぎにはならないよ」ではないのか、という質問だ。

つまり、too oftenは、「しばしばすぎて〜ない」で、それにneverだから二重否定、つまり肯定になるのではないか、という高校時代の英文解釈を思い出させてくれる質問である。

さて、正解は?
その前に、この本の目的を考えてみる。
それは、大人が子どもにして欲しいことを子どもに教えることだろう。
Pleaseを言いなさいと教えたはいいが、それをしょっちゅう言われて、何でもpleaseで要求が通ると子どもに思われても困る。
だから「そんなにいっつもこの手を使わないでね」。
こう大人としては言いたいと考えるが、どうだろう。

too often を、肯定的な very often という意味に訳した too のわたしの訳は、辞書ウィズダムによると

「(くだけた話)[形容詞の前で]とても、非常に(very)」

ともあるので、通用することがわかる。
肯定的に使う人が増えて、それでもいいことになったのだろう。
わたしの英語は、どうやら「くだけた英語」らしい。

しかし、この絵本の全体の調子は「くだけた話」にあたるので、くだけた意味をとって自然だと思われる。

こんなやりとりが、ワークショップであったことで、またまた我がワークショップには、英語の強者が集まっていること。
誇らしいと同時に……ブルル(身が引き締まる音)。
Time to Say [Please]!
『Time to Say [Please]!』

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