年を食うことでなくすもの

イタリアのデザイナーであり、国際アンデルセン賞受賞の絵本作家でもあるブルーノ・ムナーリさんが言っています。
「せっかく子どものときには創造力や伸縮自在の心があるのに、ひとは年を食うことで、しばしばそれをムダにしてしまう」。

無駄に年食っているって? 
ぐさり!厳しすぎる……。
でも先日、書店でのリードアラウドに集まってくださった大人と子どもと、The Happy Egg をリードアラウドしての感想は、「ムナーリさん、ごもっとも」。

「小鳥が、歩ける、歌える、飛べるようになった嬉しい気持ちで読もう」
とわたしが言ったら、子どもたちは「ワーイ!飛べた!」(I could…fly!)と素直な喜びを込めて読んでくれる。
でもなぜか、大人にはこの「ワーイ」がないのです……。
ぜんぜん意識していないのに、
「ああ、飛べたわ。飛べて、そんなの当たり前じゃない」という気持ちがなぜか出てしまいがち。

驚きとか喜びの表現は、ちょっとやそっとでは子どもにかなわない。
大人だって、子どもだった「こないだ」まではできたのに。

「無駄に年を食った」と言われないピチピチした表現を、子どもたちから学べたら、もっといい表現者になれそうです。

……リードアラウドの会場は、なぜかいつも子どもが大人のみなさんの「先生」になってしまいます。
The Happy Egg
『The Happy Egg』

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