Keep Portland Weird:ヘンが売り物の街

ポートランドの街のスローガン(非公式?)に、上記表題の語句がある。
Weirdが、ひとつの自慢の街である。
それを象徴するような、みなさんの自慢のドーナツ屋がVoodoo doughnut

ハイチなどで信仰されている原始宗教、ブードォー教風のブラックな店構え(真っ黒な店で中も暗い)。
やっている人たちは、どうみてもパンク。
肩から手にかけてや、あちこちに奇麗な入れ墨。
入れ墨の奇麗さで人を採用している、と思えるくらい入れ墨の展覧会状態。

ねえさんの髪は、ブロンドを真っ黒地に染め一部にピンクやら青やら。
袖がもげたジージャンとか、格好良くやぶれたTシャツとか着ている。
格好だけでなく、たぶん根っからパンク。
ドーナツ屋の店員は昼だけで、本職がパンクという、しっかりした面構えだ。

暗い店内後ろに、いろんなドーナツがラックに入っているが、よく見えない。
闇に浮かび上がる回転ショーウィンドーに、見本がひとつづつ載っていて、客は欲しいのを指差す。
メニュー板も天井からぶらさがっているが、蛍光ペンでぐにゃぐにゃ書いてあって読みにくい。

地域的には、ダウンタウンの古い地域。
隣は人気のクラブ。
ホームレスのシェルターも近いので、
店の外では、やせたじいさんが、「5セントか10セントでいいから頂戴」と、通常1ドルの物乞いをバーゲンしていたりする。

昼過ぎに通ったら、店の外まで客が並んでいたので、夕方に出直し、朝食用に、シナモンシュガーがかかっているように見えた、店員もそう言ったと思った、フレンチ・クルーラーを買った。
けったいな形やトッピングの傑作の多い中、地味で決めた。

朝まで待てないので、1つ食べた。
キエ〜!
シナモンの味に、なんと……
唐辛子が混じっていた。
あ、味は悪くないが、あんまり予想外だったので笑った。

ここの名物が、メイプル・ベーコン・ドーナツ。
「それが、たまらなく美味しいんだよね」
晩年のエルビスっぽい体型のおじさんが言った。
ざっくざくに砂糖コーティングされた棒状のオールドファッション・ドーナツの上に、焼いてちぢんだベーコンがちろちろっと乗っている。小さくない。
どうだろ???
みなさん、いいんですか、こういうの食べてて。

ちょっとアメリカが心配になった、
初めてのお買い物:ブードォー・ドーナツ店編
だった。

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