ピッピが大人になったら……

あの『長靴下のピッピ』が、大人になって、天才ハッカーになっていた!
5月にあったブックエキスポで耳にしたこの噂、やっとその「ピッピ」が登場する本を読んだ。

The Girl with the Dragon Tattoo
ほかに続編2冊があるスリラー3部だ。
今、ここポートランドのパウエルズ書店でもワゴンに山積みの、ベストセラーになっている。
スウェーデンの早世したStieg Larsson の遺作で、わたしは3日間、ほとんど何も手がつかないくらいこの英訳第1部を耽読、おまけに読み終わったその足、その目で映画館へ直行。
その後は、DVD店へ。
おかげで、ポートランドでの第1週は忙しくくらくら、目を酷使して過ごした。

「ピッピが大人になってこうなった」といわれても違和感がない、超魅力的なthe girlこと、リスベスが主人公のひとり。
金融界の不正を報道してきた雑誌記者兼雑誌発行人の40歳代のミカエルが、もうひとりの主人公。
リスベスは有能なresearcher、つまりは現代版探偵活動をアルバイトにしている。その力と行動力を借りてミカエルが、ある家族経営企業家の、長く行方不明の姪を探す。
スジが面白いだけでなく、女性蔑視からくる猟奇事件とジャーナリズムのあり方、金融界の不正を扱って社会性もあり、好奇心が強く刺激される。
登場人物は立体的でリアル、風土も興味深く描かれていて、スウェーデンに行きたくなった。

邦訳版も『ミレニアム』というタイトルで早川書房から出ていると思う。
お盆休みの読書におすすめ!
注意:やらなければいけないことを、まず片付けてから、ページを開くように。

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