終わりよければすべてよし?!

1年間、区立小学校で課外授業として行って来たリードアラウド。
昨日が今年度、最後の授業だった。

子どもたちの様子にいくつか心配の種があった学校だ。
この日は、S先生の実習で、生徒は4人。
『Bark, George!』を仕上げる日だった。
Bark, George

イヌなのに「arf(ワン!)」と吠えないジョージという子イヌの話。
母犬の悲痛な叫び「吠えなさい、ジョージ!」がタイトルになっている。
ピュリッツアー賞も受賞した新聞マンガ界の大御所Jules Feifferによる、洒脱でちょっとシュールな絵本だ。

前の週に初めてこの本を見せたときから、いい兆しがあった。……子どもたちが面白がったのだ。

ジョージは、「arf」と吠えず、「meow」「moo」「oink」……と鳴く。
こういった動物の鳴き声を読むのが、かなり面白い。
教える側が面白がると、その空気がすぐに生徒に伝わるものだ。

S先生が、「moo」とジョージが鳴くところを読んだ。
「先生、なんでムー(の声)が高いの」と、厳しい子が指摘する。
「子ウシだから……?」と、優しい子がフォローを入れてくれる。

こういう「どうでもいいこと」に、子どもと先生の間で「つっこみ」が入るのも、リードアラウドならでは。
自然に反復練習できるので、大歓迎だ。

また、動物の鳴きまねをするような場面は、子どもが大人に勝てる機会でもある。
子どもには、これがとても嬉しい。
いきおい力が入る。
この日は、S先生の「moo」より、子どもたちの「moo」の勝ち。
だって、ずっとウシっぽかったから……。

初日のいい兆しどおり、そしてS先生の醸し出したリラックス感のいい影響もあって、案の定(?)だ。
なんと、子どもたちが本文を読めるようになったのだ!

「驚きました」
と、S先生。
ほんと、大人が舌を巻くほど生き生きと読んだ子どもたちに、わたしも驚いた。

いい締めくくりになった。
……終わりよければ、すべてよし?!

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