翻訳絵本の使い方

2010年度の指導者向けワークショップが開講した。
いつも、参加者からの質問に大きな刺激を受ける。

何人もの人が訴えるのは、「英語絵本を読んであげても喜ばない」とか「そっぽ向かれる」こと。
今回は「読むというだけで逃げていく」(!)という話まであった。
このことについて、ずっと考えていた。
そんなとき、たまたま岩波新書『外国語学習の科学』(白井恭弘著)を読んだ。

そしたら、頭の中でふたつが出会って、ある仮説が思い浮かんだ。

指導者向けワークショップでは、翻訳版の本の朗読も練習するが、この翻訳版を、英語が入門レベルの子どもたちに、まず読み聞かせる(もちろん、指導者は上手になるまで練習してから!)。
もしかしたら「英語版への子どもの興味は、翻訳版を先に読んでから読めば増す」(仮説)のかも。

ただし、注意がある。
ページごとに英語と日本語を照らし合わせるやり方はしない。
まったく日本語は日本語だけで読む。その後、英語でリードアラウドをする。

これは、たとえばOliviaとかMadeline、Where the Wild Things Areとか、ある程度複雑な物語や情報があり、同時にリードアラウドにも適する本がいい。
背景が頭に母語でインプットされてから、英語を聞けば推測がより強く働くので、興味が増すかも。

仮説と検証で、リードアラウドをより効率的で効果的な教授法にできたら、と思う。
ワークショップの参加者も、各自で試しに、英語版の前に翻訳版を読み聞かせてみたらどうだろう。

結果報告を楽しみにしています!

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