マサイ族の運転する車に乗った

ポートランドでの冬休みも終わり、タクシーで空港へ向った。
その朝の運転手は、アフリカ系だった。

ところで、こちらではTaxi という言葉より、Cabのほうが頻繁に使われる感じがする。
だから、運転手はcab driver。

言葉にアクセントがあるので、「どこの人?」と問いかけると、
「ケーニヤ!」
と、明るい日差しを感じるような声で返事が返って来た。
オバマさんのお父さんとは違う種族、マサイ族だと言いながら、槍を持つ格好でチャントというか、リズムを付けたウホッーと叫ぶ歌のようなものを披露。
アクセル踏む足も、ズンダカ、ズンダカのリズムで揺れた。

アメリカに移民して来て5年、やっと新年からアメリカ人になって、「今度の選挙から投票できるんだ」と嬉しそうだ。
ナイロビから来たのかと尋ねると、
「ノーノーあんな大都市でなく、from forest!」
50頭も牛を放牧していた森の男で、今でも90歳の母が牛追いを、裸足でしているんだと言う。

アメリカに来た理由は、Peace。
「Peace! Peace! 重要なのはPeace! それから民主主義。Peaceがないところでは、人間はAnimal!ただのAnimal!」
話に熱がこもる。

妻もケニヤでは普通2人だが、自分はアメリカで1人だけ。
「これもPeaceの秘訣!」
とキャッキャッと笑った。

ポートランドでCabに乗ると、新移民か白人のおじいさん(サンタクロース風)の再就職組が多い。
新移民は、エチオピア、ケニアなどなぜか東アフリカの人か、これまでは目が真っ青で、金髪も白いくらいの旧ソ連系が多かった。

NYCは、むっつりだったりキンキン怒っているような運転手に会うことが多いが、さすがポートランド。
運転手もマイルドでリラックスしていて、会話が楽しい。

「いい会話だった。ありがとう。あんた、いい人だ」
とマサイの運転手に別れ際に言われ、2010年も頑張って生きていけそうな気持ちで、いざ日本へ。

コメントを残す

CAPTCHA