If 淡谷のり子さんが生きていたら

年末から年始にかけてJ-POPの「棚卸し」をすることが、何やら毎年の恒例となった。

子どもたちに英語絵本の読み方を教えているので、やはりJ−POPで使われている英語や、発音全般が気になる。
ああ!ダメ……。

倖田來未さんや、大塚愛さんたちのなまった日本語の歌、とても違和感があった。
そして、「ボス」と呼ばれるらしい矢沢永吉さんからしてなまっているではないか!
もう還暦も迎えたこの大物に、苦言出来るのはあの淡谷のり子さん(1907-1999)しかいない、と思った。

東北出身でオペラ歌手を目指した淡谷さんは、自分が言葉で苦労したのだろう。
歌手の発音に厳しかった。
「そんな発音、日本語ではありませんよ」
しょっちゅう、プロになりたい歌手たちにTVのオーディション番組の審査員として言っていたのを、なぜだかよく覚えている。

J-POPの問題は、「英語っぽい」のが格好いいというドグマ。
矢沢さんの歌は「巻き舌」とも表現される歯茎ふるえ音が特徴であるらしい。
日本語の標準語にはない発音方法で、「ラリルレロ」で舌がふるえる。
そして、巻かなくても英語っぽいra-ri-ru-re-roの発音で、口をとがらすのも特徴的だ。
その歌唱法は、和製ロックをやっていてあみ出したのか、個性と言えば個性で、今や還暦すぎて磨きもかかったところで、別格か。

でもなあ……
ああ、聞き苦しかった。
とくに「アーティスト」と呼ばれたい女の子歌手たちの、自作っぽい怪しい英語と日本語のチャンポン歌詞と、英語と日本語両方ともなまった歌唱、
かっこわるーい、
と思うけど。

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