指導者向けワークショップ#6報告:その2

「(頭を使ったので?)あのWS、初めて疲れました」「考えれば考えるほど(頭が)混濁」「苦戦、苦戦で手こずっています」といった感想が寄せられた先日のWS。実はこれ、大変よい兆し。

 プロとして絵本を読むことがどれだけ大変なことなのか、やっと分かっていただけたということだ。みなさんのこういった感想と同時に、「やっと〜ですね!」という中西先生の感想も聞こえてきた。

 日本の「絵本読み聞かせ界」では、cuteに読むだけの、素人の初見読みでよしとされている観がある。さらに、英語の絵本の読み聞かせというと、英語がスラスラ読めるだけでお座敷がかかったりする、実に大甘の世界だ。そういった読み方は、まったく印象に残らない無味乾燥なものか、逆にsweetすぎて気持ち悪くぞっとするだけのものだと、みんな気付いているはずだ。それは大問題なことに、大人だけでなく子どもでも気付いている。

 まだ本格的な演技力・表現力が身に付いていないとしても、問題意識を持ってよりよい表現を身につけようと努力している人のリードアラウドは、普通の読み聞かせとは全く違うはずだ。そして、そういう努力を重ねている人だからこそ、英語の内容や学習方法やコミュニケーション能力を子どもに上手に伝えられるのだと思う。

 この第6回WSで、わたしはほとんどお世辞ぬきでコメントした。それぞれの読み方に散見される「違和感」をかなり細かく指摘し、なるべくよいと思える表現を引き出そうとしたつもりだ。naturalとtruthが、リードアラウド指導者の読み。ヒントがいくつか見つかっていますように。

 悩みを抱え始めたみなさんは、表現者としての王道を歩き始めているのだろうと思う。さあ! 楽しい苦労を、ご一緒しましょう。

Grandfather's Journey (Caldecott Medal Book)
『Grandfather’s Journey (Caldecott Medal Book)』

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