Where the Wild Things Areのリードアラウド、名優による名演

Grandfather’s Journeyを練習しているからか、子どもたちと接する機会が多いからか、自分が5、6歳のときに祖父に言われたあることを最近たびたび思い出す。

「子どもの時は、みんな今のおまえのようにかわいいのに、どうして大きくなると変わってしまうのだろう。おまえも変わってしまうのか」
大好きな祖父に、悲しそうにこう言われ泣きそうになった思い出だ。

 先日のクレヨンハウスでのリードアラウドで、Where the Wild Things Areを読んだ。その時の子どもたちの名演が、頭に焼き付いて離れない。
「読んでみようか」とわたしがマイクを向けると、くるっとよく動く目を本に落とし、小さな肩をちょっとすぼめる。そして、まるでプールに飛び込むみたいな表情をする。真剣勝負の表情。それから、魂が乗り移って、そこに書かれているとおりの顔つきになる。うそのような名演……。自然な演技なのだ。緊張が解けた子どもは、ほとんどこうである。このあいだのMadelineもそうだった。

「かわいい」と言うと、あまりにありふれた言い方になってしまうが、つるんとしてぴかぴかの魂を見せていただけたという感慨のようなもの、を感じる。これを引き出せたら、わたしにはもうほとんどすることがない。もうそこに、英語も表現もある。

大人の表現指導とは、この「つるん、ぴかぴか」を、dullな酸化したような魂から掘り出すことか。
Where the Wild Things Are
『Where the Wild Things Are』

Madeline (Puffin Storytime)

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