「ぼくの……」出だしも重要、指導者レベルのRA

 明け方、なぜか「My grandfather was a young man…」というフレーズが気になった状態で目がさめ、寝床でしばし考えた。また、というか、まだあのGrandfather’s Journeyである。

 11月21日の指導者向けWSも近づいて、みなさんの練習の進み具合が気になっているのだろう。タイトルを読み、ちょっと余韻を持たせて、そしてこの冒頭だ。翻訳版は「ぼくのおじいさんが……」だ。

 歌ではないが、しょっぱな「My……」または「ぼく……」の入り方で音程(のようなもの)が狂うことが、練習を始めた初めの頃にはあった。読み始めて、すぐに「音程」が狂っているのが気になり、自分で嫌になり進まなくなってしまった。「しらじらしい響き」「棒読み」とも言える、どこか音痴の歌のような響きだ。

 そしたら先日のこと、好きだった加藤和彦さんが亡くなって、涙ながらにその音楽を振り返っていたら、彼のアレンジだった『結婚しようよ』にぶつかった。そう……、「ぼくのかみ〜が〜肩まで伸びて〜」という歌。

「ン、ぼおくのかみい〜が〜」と、吉田拓郎さんは楽しそうに歌った。その「ン」と「ぼお」に感心してしまった。「ぼくの……」と、そこにもう、初々しさや躍動感、喜びが出ている。歌手、アレンジャー、ディレクター、みんながいい仕事をした作品だったんだ……。

 さて、RAするわたしたち、である。冒頭、これはやはり大切だ。ナレーターがどういうひとで、どう祖父のことを思って、これから話をするか(読むか)。これをある程度、自分のなかで作り込んでおかないと、どうやら「音痴」になるようだ。

言い方を変えれば、冒頭を読むときにすでに自分はそのナレーターになっていて、祖父の思い出をいっぱい持ち、自分もふたつの祖国への思いを深く持っているようにするのだ。そうすれば、その理解が自然と声になる。まずは、情報を入れ日本語でしっかり読み込んでみよう。

 みなさんのご健闘を祈っています。
おじいさんの旅『おじいさんの旅』Grandfather's Journey『Grandfather’s Journey』

 

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