70年代から90年代にアメリカの大手出版社が、社命をかけて移籍などされないよう丁重に扱っていたという伝説の大作家、Shel Silverstein。きれいに剃り上げた頭に、真っ黒なヒゲと太い眉毛という目立った風貌のひとで、詩人、歌手、作曲家、脚本家、イラストレーター、漫画家そしてミリオンセラーを持つ作家など多才だった。
その天才の一端を知ろうと、映像を探したらこれを見つけた。こちら
アメリカのカントリーウェスタン音楽の大御所、ジョニー・キャッシュ(カントリーウェスタン界の「美空ひばり」、ただし男性)・ショーに出演して歌っているもの。
ジョニー・キャッシュもここで言っているが、シェルの作詞作曲の曲で、ジョニーはヒットを飛ばしている。
さて、シェルの何がすごいって、その表現力。カリスマ性。ここで歌っている2曲目、父と息子の掛け合い風の歌が特に凄い。
声は、もしかしたらカラスとキーが同じかと思う意外さだが、ユーモアを漂わせながら、その声をそれなりに歌い分けしている。歌詞そのものとその独特の情感に、目頭が熱くなってしまった。
息子が、「風が吹かなくなったらどうなるの」「太陽が照らなくなったらどうなるの」などと尋ね、父がいちいち答えてあげる。最後に「じゃ、ぼくが父ちゃんを好きじゃなくなったらどうなるの?」。すると、父ちゃんの声になったシェルがハンサムなカラス声で「ああ、そうしたらね〜、風も太陽も何もかも、止まっちゃうんだよ。いいかい、だからずっと父ちゃんを好きでいな」。これを、はにかんだような表情で歌っているのだが、それぞれの「父ちゃんの愛」を思い出させる力がある。
ミリオンセラーの絵本作品のひとつ、The Giving Treeを本人が読んでいるものと、たぶんプロだろうが違和感のある読み方のものを聞いた。本人のを聞いて、深さや自然さとはこういうものなんだと思う。チャレンジしてみたくなった……。
『The Giving Tree』 難易度でいくなら、まずはThe Missing Pieceからかも。
『The Missing Piece (An Ursula Nordstrom Book)』
詩集なら……
『A Light in the Attic (20th Anniversary Edition Book & CD)』
『Falling Up』
Daddy, What If? ですね。
かわいい!そして素敵なDuddyだぁ~!