リードアラウドする人々のQ & A :子どもから表現力を引き出すには

指導者向けWS参加者、そしてクレヨンハウスでのリードアラウド・ワークショップも参加した方からこんな感想が寄せられた。

 「子ども達が達者なのにはびっくり、またそのような反応を引き出すスキルも学習(?) していくことが必要だと思いました。」

わたしも、子どもたちとWSをやっていて、そのきらきら光る表現に驚き、感動することが頻繁にある。ほんとに達者だ。それは、あの年頃の子どもなら、たいてい持っている力なんだとも、リードアラウドをやって約6年で分かってきた。

「そのような反応を引き出すスキル」について
イメージでいえば、子どもはホタル。ポッと光ったり、消えたり。わたしの言うこと、やることひとつで、光ったり消えたり。
頻繁に光らせる、または消えている「ホタル」を光らせるコツのひとつは、ちょっとでも光ったり光り始めに、こちらが敏感になること。ずっと消えている子はいない。
「あっ、そこのホタル、光ったね!」
と、できるだけ見つけてあげること。まだ弱い光だと、見逃しがちだが、こちらの「目」をよくしておかなければならない。

無理して褒めても、子どもは感受性が強いのですぐに見破る。こちらも本気でいいと思えるスポンジのような心で、みんなの前に立ちたい。小さな「光」にも気付き、本気でいいと思い……、その次は、そのいいと思った心を相手にわかりやすく見せること。

これはわたしたちの個性にかかわるところだが、派手に喜んだりしないタイプの人なら、プロ意識でそこを派手に分かりやすくすること。子どものよさを見つけたときの、ウソではない指導者としての喜び、仲間としての喜びを、分かりやすく表情や言葉で表現する。

表情が小さい人は、表情筋の訓練が必要かもしれない。訓練段階では、JALやANAの客室乗務員の笑顔も参考になる(あくまでも参考)。つまらなそうな顔や、ふっと不満そうな顔を見せないスキのなさは、学べる。笑顔が板につくようにして、そこがわたしたちの表情の出発点。それから、かすかでも光った子どもの表現に気付き、「わ〜!今の言い方、よかったあ……」と、感動する心にすぐスイッチが入り、表情がくずれ笑顔の目盛りがぐんと上がるようにする。

注意点は、感動したような顔をするのではない、ということ。作りものを子どもは見破る。本当にこちらが「よかったよ……!」と思い、それを口にすると、子どもが変わって行く。

表情で感動を伝えるのと同時に、出来るだけ言葉でも伝えたい。このフィードバックの言葉も、個性の出しどころ。逆に言えば、個性が出てしまうので恐い。褒め言葉については、いくらでも知っていた方がいいので、これから日常でもその気で聞き耳を立てておくといい。気にしていると、たくさん聞こえて来るもので、それらを後に使わせてもらおう。

たとえ「いい」と、語彙的には褒め言葉がワンパターンなら、それを「いいね〜」「いいっ!」「いいよ」「いいよオ」「キャー、いい」「ウーム、いいね」「いーい」などなど数えきれないほどある言い方でいう手もある。

反射的に、感動の表情や言葉が出るようにしたい。これは、日頃の訓練。日常でだれかと会話するときから、この心構えで行こう。歩いている時も無表情でせかせか、などないようにしたい。姿勢と呼吸そして口角が上がっているかに注意しながら、堂々と歩く。

アメリカのコメディ映画も役に立つ。メリル・ストリーブの表情はすごい。輝く笑顔は素晴らしい。ただしクリント・イーストウッドの映画での顔は、あまり役にたたない(無表情の演技をしている。余談だが、普段のクリントは、茶目っ気のあるおしゃべりで甘えっ子。落差にガ〜ンとなった経験あり。)

さあ、残り少なくなって来た夏休み。表情筋の訓練と、表情と褒め言葉のサンプリング、感動する心磨きに精を出しましょう!