Text-to-Speechにリードアラウドさせてみた

近頃、アメリカの本好きの間での話題は電子ブック。紙の媒体を通さず、掌を広げたほどのサイズの薄くて広い電子辞書のような媒体を通して本を読む時代が始まったのだ。本の、いわばipod化が、すぐそこまで来ているらしい。

アマゾンが作ったのがKindleという媒体(機械)で、その代表格。昨秋出た改良版Kindle2には読み上げる機能Text-to-Speechもついている。採用しているのが、Nuanceという会社の技術で、市販されているソフトとしてはRealSpeakがある。

NYタイムズの記事では、「頻繁に使われる大切なある単語の発音が下手」と、 Kindle搭載の読み上げソフトを茶化していた。「Barack Obama」がちゃんと発音できなかったのだ。そんな記事も読み、面白そうだったので、Nuance社の読み上げソフトのお試し版で試してみた。

『Where the Wild Things Are』の冒頭を、このソフトに読んでもらった音声がコレresult12。読めない単語が、こんなに短い文章なのにあるのが残念だが、ずいぶん進化した。声もなまりも(アメリカ、イギリスなど)いくつか選べる。でも、あくまでも「ロボット読み」。空港や駅、電話の自動音声案内には使えるが、リードアラウドはやはり無理だ。たとえとして思うのが、プリンターで出した毛筆の字と書道家の字の違いか。ワープロの打ち出した毛筆では、感動を与えることはできない。でも悪筆よりはずっといい。わたしたちのリードアラウドが目指すのは、「書道家の字」ということだろう。「ロボット読み」する人間に読んでもらうくらいだったら、もっと完璧なロボットのほうがいい。

Where the Wild Things AreWhere the Wild Things Are CD

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