NYでブックエキスポ、Jane Yolenさんに会った

しばらくブログ更新に間があいたのは、NY出張に行っていたためだ。新型インフルもあるというのに、毎年欠かさず参加しているブックエキスポなので「危険」を犯した……。

成田から飛行機に乗ったわけだが、機内ではインフルエンザのことを気にしていた。エアコンのせいで咳き込んだときは、「みなさんが心配なさるのでのど飴ください」と半分ウケねらいで、客室乗務員にお願いした(ちゃんと笑ってくれた)。
だが、NYについたとたん、すっかり忘れてしまった。NYの人々はずっと「忘れてしまっ」ている状態だったと、NYに住む友人が言っていた。もちろん、NYではひとっこひとりマスクをかけていなかった。

今回、ブックエキスポでは、これから出る新刊や教材を見て回る他に、『多聴多読マガジン』の作家インタビューの手伝いもあった。
インタビューしたのは、あの『How Do Dinosaurs Say Good Night?』の作者Jane Yolenさん。とても興味深い話が聞けた。

『How Do Dinosaurs Say Good Night?』はリードアラウドにぴったりだと、わたしはかなり前から推している。イラストもかなり魅力的だが、語彙が洗練されているのがリードアラウド向き。そしてなによりも、親たちが人間なのにその子どもたちが恐竜という設定(親は当たり前のように接している)が、不条理で傑作だ。また、文章がほどよい長さで、日本の子どもたちに受け入れられやすく、リードアラウドの定番となっている。

このタイトル、もともと「How Does the Dinosaur Say Good Night?」だったそうだ。登場人物は両親とその子の恐竜1匹だけ。だが、イラストレーターのMike TeagueがJaneに、複数形にしようと相談して来たという。そのときが、本書が名作になった瞬間だったのかもしれない。

CD付き版では、Jane自身が朗読している。素晴らしいと思ったと告げると、「でしょう?」と身を乗り出して来た。最初は、他の人が読んだものを採用する予定だったとJaneが教えてくれた。「(カワイイ声をまねしながら)こんな読み方なのよ。鳥肌が立ってしまった。だから、わたしが読むって言ったの」。

……これを、作者から聞き出したこのときのわたしの喜び、おわかりいただけるだろうか。ヤッター!やっぱりだ。朗読CDの声優には、「わざとらしい、カワイイ声で読む」派がいて、「なんだかなあ……」といつもわたしは不満に思っていた。
今回、文意をちゃんと伝えてない、こんな風に読まれたくないと、作者自身が言ったのだ。おまけに、作者が拒否したのは、大出版社が雇ったプロの声優だ。
絵本の朗読だからといって、ただカワイイ声で読めばいいってもんじゃないのだ。

How Do Dinosaurs Say Good Night? (Book & CD)How Do Dinosaurs Say Good Night?

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