第3回指導者向けWS報告:その3『Where the Wild Things Are』

この日のワークショップの中心は、この本だった。実に、やりがいのある本だ。なぜなら、
1.深い→やってもやっても飽きない→学ぶところがたくさんある
2.楽しい→ひとを楽しませられる
3.不朽の名作で、人気は衰えないだろうから、ずっとレパートリーにできる
などなど。

4場面に区切り、それぞれの場面ごとに、9人の参加者(ひとり欠席)ひとりひとりに演じてもらった。ひとり終わるごとに、わたしが気付いたポイントをあげ、次の演技者はそのポイントに注意して演じる。よって後半の演技者においては、ハードルが高くなる。ちょっとしたゲームのようで、わたしもどきどきした。だが、みなさんがわたしが指摘したポイントを、つぎつぎ見事にクリアしていくのにはびっくり。

もちろん、8、9人目に演技するときは理論上はそのグループの「最高の演技」になるはずだが、そこはまだまだ修行の身。先に挙げたポイントをクリアし忘れなどがあるのは当然のこと。それでも、この日のこのセッションで、努力できる点がかなり具体的にわかったのではないだろうか。それも、自分のそのときの実際の演技での指摘なので、「身に覚え」があるわけだ。効き目がよけいあったように思った。

9掛ける4場面、36ポイント挙げたわけになるが、その中から共通すること、印象的なことなどを記しておこうと思う。

●言葉ひとつひとつの意味を考えて、その意味を込めて読む。
「スラスラ読み」「教師読み」「アナウンサー読み」「他人ごと読み」など、アドリブなのでいろいろな言い方で指摘したが、どれもつまり、言葉が上滑りということ。文字を追って上手に読んでいるだけ。黙読や速読しているときの頭の中での「読み方」を、ただ口にしている感じ。これは、伝える対象がいるときの表現には合わないだろう。
lonely なら、lonelyがどういうものか伝わるように。without eating anythingは、どんな気持ちがする?など、書かれている言葉を、これらのように、ひとつもらさず表現するつもりで言えるようにしたい。

わたし自身が練習している方法は、自分で「言い方がわからない、下手」と思う句や節、文、ときには単語を、本から離れている時も、ぶつぶつ言う。すると、いろんなパターンが湧いてきて、しばらくして本に戻った時に、その平坦だった部分がとても立体的になる(時々「危ないおばさん」として、道で振り返られることもある)。

みなさんがこの日、ほぼ100%上手だったのが、where the wild things areの部分。これは、みなさんが本を離れても、何度も何度も頭をよぎった節なのに違いない。そして、他のどの部分よりも数多く口にした節に違いない。だからとても自然に、それなのに立体的(意味が感じられるよう)に、おまけに個性的に読めていた。

「読み込む」というのは、ここまで他の部分も練習すること……、演じることの大変さを思い知る。

(またまた、つづく)