リードアラウド「4つの約束」:その3 「感情込めて読む」

 リードアラウドのワークショップで、子どもたちとする「4つの約束」
1.「読んでいる文字を指でなぞる」 2.「読めないところは、ムニャムニャ(なんとなくまねる) 3.「感情を込めて読む(登場人物になりきって読む)」4.「家に帰ったら誰かに(24時間以内に)読んであげる」

このうち、3.について。
これは、表現力をつけるため。日本の英語教育で、教え足りていないところだ。たとえば、英語で話すときに、英語自体と話す人の気持ちが一緒になっていないことが多い。実際の会話を相手と交わしているのに、なんだか棒読み。ましてや、本の音読などつっかえつっかえの棒読み。これらは英語であっても、英語に聞こえない。

「I like it!」と言いたかったり、そういうセリフのとき、(あ〜、それがすっごく好き!)と思って言わないと、そう言っているように聞こえない。「英会話」しているのに通じないという結果にもなり、(発音が悪いんだ)と落ち込んだりする。これは、たぶん一般に言われる発音のせいではなく、表現のせい。表情や声が「好き!」と言っていないからだ。

 表情や声は「日本人問題」でもある。文化的に能面のような顔で話したりするのに慣れている。でも、英語という言語はそれこそシェークスピア的で、喜怒哀楽を声と顔、体で表現するものだと思う。英語で話すときには、それに合わせると楽だ。 これに気がつくと、驚くほどコミュニケーションがしやすくなる。外国人にとっては、日本人の英語が、ひいては日本人がとても分かりやすくなる。
 この英語独特の表現を練習するのに、適量で磨かれた文字と、表情や情景の一部が絵に描かれている絵本が、とても使い勝手がいいのである。

 もうひとつ、感情表現の練習をするということは、おのずと反復練習になることがメリットである。英語を学ぶ上で欠かせないのが反復練習だが、ただ同じことを繰り返すのでは、すぐに飽きてしまう。しかし感情表現は奥が深く、飽きることがない……。

 大人たちの「英会話」練習にもぴったりなのが、指導者向けワークショップや成蹊の3,4年生のワークショップで使うこれ!
『Dog and Bear: Two Friends Three Stories』

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