アメリカは、もうサマータイムが始まっているので、日の出も東京よりだいたい１時間遅い。今朝、6時に起床、７時少し前に日系人が「オレゴン富士」と呼んだMt. Hootの艶姿を、部屋の窓から撮った。
少なくとも上海よりはずっと空気がいいし、部屋のほこりや外出したときの顔の汚れなどから東京よりも空気がいいようだ。「富士山」がありソメイヨシノが咲いているポートランドは、まあ言ってみれば第２の故郷かな。
昨晩は住まいの真ん前の劇場で、ミュージカルWickedを観て来た。なんの予備知識もなかったが、Wizard of Ozの外伝のようなものだったんだ……。原作はL.Frank Baumの児童書で1900年出版だが、映画は1939年ジュディ・ガーランド主演で公開され、TVで1959年から91年まで毎年、必ず1回（イースターの週末だったと思う）放映された。アメリカで知らない人はいないほどの国民的映画だ。わたしでさえ、3、4度観ている。
ブロードウェイは企画がうまい！オリジナルをみんなが知っていることを前提に、実はあの時の魔女ふたりは親友同士で、心温まる友情や悲しい別れがあったのだということが分かるしかけ。ふたりの魔女の学校時代の話などは、よくあるヤングアダルト小説のテーマのようで分かりやすく、なるほど若い観客が多いはずだ。学校で一番人気のある娘と、みんなに敬遠される緑の顔の娘が親友同士になる、いい話。
80ドルのこのショー、劇場は満杯。前日にふらっと１席買いに行ったわたしは、実に幸運なことに、前から3番目、オーケストラボックスのすぐ後ろの1席を買えた！ダンス、歌唱、演技の実力者たちの熱演、お見事。ステージの上での空気のつかみ方、リードアラウドをする表現者のひとりとしてお勉強させていただいた。