Mem Fox著Reading Magicとシンクロする日々

 まだ豪日交流基金がおりたわけではないが、そのつもりで9月にオーストラリアの絵本作家でありRead Aloudの大切さを説いているMem Foxを日本に招聘する準備に取りかかった。

 この招聘の一番の意味は、子どもの一生を変えかねないほどインパクトのある「Read Aloud とはコレだ!」というのを、なるだけ多くの日本人の英語の先生と興味を持つ大人たちに体感してもらうことだ。それを、英語のネイティブ・スピーカーでありながら、その長い外国生活経験からくるELS的感覚や、多文化を尊重する姿勢を持ち、同時に、世界で愛されている絵本の作家がデモンストレーションする。

 Memの「生 read aloud」を経験したら、英語指導者としてのこれからが変わるかもしれない。そしてその変化は、ぜったい日本の英語教育にプラスの方向のはずだ、と信じて今、(大げさに言えば)奔走しているのである。

 さて今、ポートランドの仕事場で、集中的にMemの著書、reading及びreadaloudの啓蒙書であるReading Magic: Why Reading Aloud to Our Children Will Change Their Lives Forever
『Reading Magic: Why Reading Aloud to Our Children Will Change Their Lives Forever』
をどう日本の土壌で役立てられるかについてまとめている。昨日までに、彼女のいう「Readingの3つの秘密」(英語学習上の「三本の矢」?)なるものについて読み直した。英語が本当に「読める」というのは、理解できるということ。そのためには「三本の矢」が必要という。わたし自身の「英語人生」を重ねるとこれが、すっと腑に落ちる。

 その「三本の矢」とは、文字、言語、知識。今の教育現場に還元して単純に言えば、文字はフォニックス、言語は文法、知識はそのまま一般的知識。わたしの場合は、いつも「勘」に助けられた。それは、雑学からの勘なのだが、雑学もまあ立派な知識なのだろう。おかげ様である。立派な例をあげるなら、夏目漱石。まさかフォニックスは知らないから発音には苦労したろうが、文法力と知識量で補い、国費留学生としての責任を果たしたのだろう。

 まるで発音を最重要として、「矢」のうちの文字だけの早期教育に親たちを蹴り立てる風潮が日本にあるように思うが、いつも「三本の矢」を忘れないようにしたい。ネイティブ同様の発音で、たとえphonics なんて難しい単語を発語できたとしても、表現するものも表現の仕方も知らない。日本人らしさもない。これじゃ発音マシーンだ。

 「三本の矢」のうち、多いに英語の助けになる「知識」の力を、最近の日本の英語教育は忘れているかなあと思いながら、今日も次の章へと進む

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