今頃、である。アメリカの「国民的」絵本作家、Dr. Seussの本に開眼した。どんなに国民的かといえば、こんなエピソードがある。
オバマ大統領が10歳だった12月、ケニアからお父さんがやってきた。お父さんは勉強に厳しく、オバマ少年が楽しみにしていたDr. SeussのHow the Grinch Stole ChristmasのTVショーを見せてくれず、お父さんを恨んだ。(オバマさんの伝記にある、とても珍しいネガティブな感情の思い出)。
もうひとつ、Dr. Seussが1991年に87歳の生涯を閉じたとき、追悼に、アフリカ系初の大統領候補だったジェシー・ジャクソン牧師が、Green Eggs & Hamをリードアラウドし、感動を呼んだ。
さてなぜ、今まで開眼しなかったか。そしてなぜ開眼したか。これはわたしの「リードアラウドへの道」を象徴していると思う。
恥を承知で言えば、これまで開眼していなかったのは、読解力不足だったから。声に出してあまり読んでいなかった。文字が多くおっくうだったのも理由。そして音読しても、たぶん発音がまちがっていたり、その単語の意味がわかっていないから面白いと思わなかった。
開眼したのは、ひとえにread aloudしたおかげ。こちらの語彙もその発音もましになったこともある。最近「リードアラウド」という切り口で絵本を見直していて、再発見したのである。
でもたぶん開眼の遅れは、恐らくわたしひとりではないだろう。というのも、Dr. Seussは日本で「爆発的人気」になったことがないのだ。Richard Scarryの本と、好対照だ。アメリカではこのふたりの人気と知名度は互角。Dr. Seussは「文字の人」、Scarryは「絵の人」とも称される。日本人は、恐らく限られた語学力のせいで、絵でわかりやすい本を支持しがちなのでは。
開眼しないでいるには、あまりに面白いDr. Seussの本。この作品群の「料理法」は、今後のわたしの課題だ。
今後といっても、4月にはもうクレヨンハウスで
『Green Eggs and Ham Book & CD (Book and CD)』 のリードアラウドが予定されているのだが。