絵本を演じるということ

 指導者向けワークショップでの中西先生による演技指導は、おそらくSanford Meisnerによるメイズナー技法の流れを汲むものだ。それは多くの名優を生んでいるNYアクターズ・スクールでMeisnerが指導した方法だ。

 形で演じるのではなく、
create something believable, that is truthfully, naturally and with feeling.
ということ。

 「役になりきる」とわたしは言うこともあるが、内面的な精神を大切にする演技技法ともいわれる。リアルな演技をするわけだが、それは人生の経験を本能的に使うものらしい。
 絵本を普通にスラスラ読むのは、それは報告書を読んでいるのと同じ。報告書を聞いていても想像力はわかないし、面白くない。2Dの、のっぺらぼう。だが、読み手が本の情報を自分の中に入れ、内的衝動(Goodnight Moonなら「ああ、もうぼくは寝なきゃ。じゃ、ぼくの部屋の大切なものたちみーんなに、おやすみなさいを言わなきゃ!」というウサギ君の衝動)に突き動かされ、ウサギ君の言葉として言う(読む)。すると絵本、それも英語の絵本なのに日本の聴衆に、3Dになって見えて来る!……こういうというところまで、やりたいものだ。

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