絵本を演じるということ

 指導者向けワークショップでの中西先生による演技指導は、おそらくSanford Meisnerによるメイズナー技法の流れを汲むものだ。それは多くの名優を生んでいるNYアクターズ・スクールでMeisnerが指導した方法だ。

 形で演じるのではなく、
create something believable, that is truthfully, naturally and with feeling.
ということ。

 「役になりきる」とわたしは言うこともあるが、内面的な精神を大切にする演技技法ともいわれる。リアルな演技をするわけだが、それは人生の経験を本能的に使うものらしい。
 絵本を普通にスラスラ読むのは、それは報告書を読んでいるのと同じ。報告書を聞いていても想像力はわかないし、面白くない。2Dの、のっぺらぼう。だが、読み手が本の情報を自分の中に入れ、内的衝動(Goodnight Moonなら「ああ、もうぼくは寝なきゃ。じゃ、ぼくの部屋の大切なものたちみーんなに、おやすみなさいを言わなきゃ!」というウサギ君の衝動)に突き動かされ、ウサギ君の言葉として言う(読む)。すると絵本、それも英語の絵本なのに日本の聴衆に、3Dになって見えて来る!……こういうというところまで、やりたいものだ。

偶然が呼ぶリーダーズ・シアター

 いろいろな偶然が重なり、連絡が途切れていた高校時代の「文芸部」の友人が、2月14日に下北沢の北沢タウンホールで上演される「音楽朗読劇:おもいできらきら」に出演することを知った。

 「朗読劇」って?と検索したら、アメリカで発達した「reader’s theater」の日本語訳だということがわかり、今度は「リーダーズ・シアター」で検索したら、なんと。自分のブログ(これ)に戻った……。

 この朗読劇と呼ばれるreader’s theaterは、特に読書教育の一環としてアメリカではここ最近(15年ほど?)盛んになってきていると聞く。リーダーズ・シアターですることは、つまりは、わたしの言う英語の絵本を「演ずるように読む」リードアラウドだ。そして、この「演ずるように」の芸を高めることが、演じる人と見る人の、その本に対する理解を深め、想像力を触発し、表現を豊かにするという思いを強くした結果が、ここ1年頑張っているボイストレーニングであり、演技の勉強なのだ。そして今年からは、Reader’s Theater形式で、リードアラウドにバリエーションを付けようと思っていたところだ。

 ひょんなことで、日本語でやっている人たちがいることを知った。それから、Reader’s Theaterにはスタイルがあることも。譜面台、回転椅子、黒服着用、これが3点セット。手を自由にするための譜面台、からだの向きを変える回転椅子、そして観客に姿ではなく声に集中してもらうための黒服、ということらしい。まあ、これはプレゼンテーションの問題なので、まずは演技を磨くことに集中するとしよう。

 友人の朗読劇、ぜひ見に行こうと思う。