なぜリードアラウドするのか:その1

 英語でいうread aloudは、ORAL READING(音読)を教えるひとつの方法だが、その主体でもある。わたしが「リードアラウド」と呼ぶものは、そのオリジナルな意味に加えて、英語を母語としない学習者の読解を助けるために、演技者並の演技力で絵本や本を読むことまたは、その指導法を指している。

 アメリカで19世紀中旬までは、Eloquent oral reading、感銘を与える音読、というものが、英語教育の目的だったという。それは、
単語の意味、
意味に合った発音とアクセント、
段階をつけた強調、
文意をくんだ読み方、
間のタイミングと方法
などを教えていた……。

 ん?どこかで聞いたことがある。そう、リードアラウドの極意!
 この歴史的教授法が20世紀初頭からすたれたのは、文意を深く、効率よく理解するには、黙読だと考えられたため。

また、「物事を細分しその最小単位から科学する」ことが流行った20世紀という時代のすう勢で、英文を単語に還元して教えることが主流になった。

アメリカでも「デル単」の時代になった。ここでは、日本のそれと違って「日常英語で使われる頻度が高い単語」だが。これに基づいて教科書も編纂された。(20世紀後半には「フォニックス=つづりの読み方の規則で分類した単語」に基づくものも)

印刷技術も進み、本が安く印刷できるようになったこととペアになり、「デル単」のランク上位からだんだん下位の単語を使って、段階的に(「梯子式」「飛び石式」などブランド名あり)編んだ「リーダー」が作られ、それをどんどん「上」まで読んでいく方法が、教室では盛んになった。このとき、「読む」は、黙読かround robin reading(順にあてて部分的に生徒に読ませていく)である。

こうして20世紀は、速読の強迫観念が芽生えたり、読める子と読めない子の格差が広がった時代となった。

日本の英語界は、たぶん今、ここで止まっている。
そこで、21世紀の方法=リードアラウドへ!

(つづく)