上海にて:その2

2009.1.1のブログのつづきshanghai3

上海の友だちに紹介され、中医の「超名医」の診察を上海中医葯大学付属岳陽医院で受けた。

「タイトウ(大島)」と呼ばれ診察室に入ると、思いがけず20人近くの大勢の人がいて、診療室ににつかわしくなく、わいわいしている。ふたりの白衣を着た 人が、窓際におかれた机に向かい合ってすわっていて、それぞれを興味津々の顔が取り囲んでいる。手前の白衣の人は大きなマスク、その上から柔らかい光を放 つ目でこちらに目配せ。陳先生だ。彼女の前の丸い椅子が空いていて、そこへ座れという目で合図。

わたしの診察だというのに、周りのあかの他人たち(患者とその家族?)が取り囲む。ついたてや、カーテン一切なし。筒抜けというより、積極的な観客のように、先生と患者の会話を聞き漏らさないよう近寄って聞き耳を立てるのだ。
オーイ、患者のプライバシーはどこだ?!
わたしの顔も、彼らに直視される。ぎろぎろ。これまでの病状やら、年齢などもちろん、お通じやらなんやら、迫力の真剣さでこちらを覗き込み、聞いている。

「ぎろぎろ」見知らぬ人を直視する文化圏、人の目をほとんど見なくなった文化圏から来たものには少々あくが強い……。

陳先生の反対側にいる白衣の人は、助手か薬剤師だろう。診察の後、最後に処方された漢方薬の飲み方を、この彼女が説明してくれた。陳先生とは違って、ケンケンガクガクとしゃべる。薬を飲む1ヶ月は「食べちゃいけないものがあるッ」とギッとわたしを見た。そして、言った。
「イヌ!」

今、このわたしの部屋にある山積みの漢方薬、煎じられるのを芳香を漂わせて待っている。